
音楽スタートアップのコンテスト「Midemlab」優勝企業が発表。評価された事業内容が今後のアーティスト活動拡大のヒントに?
今年11月に開催された音楽業界のカンファレンス「Midem Digital Edition」にて、スタートアップのピッチコンテスト「Midemlab」の優勝企業4社が発表されました。
音楽制作/教育部門では、ゲーム実況やライブ配信用にリアルタイムでAIが著作権フリーのサウンドトラックを生成し配信する技術を開発するInfinite Albumが優勝しています。
ディストリビューション/ディスカバリー部門ではRipplaが優勝。同社はライブ配信イベント時にスーパーファン(より多くのお金を落としてくれるファン)向けのオンライン上ミートアップ・スペース(出会いの場)やプロモーションイベント用スペースを生成する技術をアーティストやマネジメント、レーベル向けに開発し、収益性を高める支援事業を行っています。
音楽マーケティング/データ分析部門では、楽曲著作権のデータベースと検索エンジンを提供するRightsholderが優勝しています。同社ではシンクロ権(映像と音楽を同期させて使用する際に発生する権利)に関わる人や音楽出版社、マネジメント会社、作詞作曲家などの作業時間を削減してプレゼンなどに活用するデータツールを開発しています。
また、ライブ体験部門では、3Dクリエイターツール提供を行うAnything Worldが優勝。同社では、3DのアバターやキャラクターをAIと連携して簡単にデザインでき、アプリやメタバース、ゲームコンソール、ウェブ、VR、ARなど様々なプラットフォーム用に活用できるクリエイターツールを開発しました。
今回の結果から、アーティスト向けのライブ配信サービスやバーチャル空間でのアーティスト活動をサポートするサービスのようなコロナ禍以降に需要が高まったサービスを提供するスタートアップ企業が高い評価を得た印象があります。
これらの分野は従来のアーティストの活動ではあまり見かけることがなかった新たな領域ですが、コロナ禍で新たに浸透した音楽業界のニューノーマルは今後もさらに拡張していく可能性があるように感じます。アーティストとしても、その領域での活動も視野に入れておくことで、自身の活動をさらに広げていくことができるかもしれません。
文:Soundmain編集部
【参考サイト】
Midemlab startups contest reveals its winners for 2021 – Music Ally
https://musically.com/2021/11/18/midemlab-startups-contest-reveals-its-winners-for-2021/