2021.11.18

TuneCoreがDIYアーティストのバイラルヒットを加速するソリューション「Social Platforms」を発表

DIY音楽クリエイター向けのディストリビューションサービスを展開するTuneCoreが、ソーシャルメディア上で楽曲を前払いなしで収益化するためのワンストップソリューション「Social Platforms」を開始しました。これにより音楽クリエイターは、TikTok、YouTube、Facebook、Instagram、Reelsなどのソーシャルメディアに組み込まれている音楽ライブラリに、自分の楽曲を直接配信できるようになります。

これまでは、アーティストが自分のソーシャルチャンネルに新曲を投稿したとしても、再生数やフォロワー数は得られても、他のクリエイターが投稿に使用することは難しく、したがってアーティストが二次使用による収益を得ることもできませんでした。Social Platformsを介することで音楽クリエイターは、ワンステップで簡単に自分の楽曲を主要なソーシャルメディアプラットフォームの音楽ライブラリで利用できるようになり、楽曲のバイラル機会を増やすことができます。また、すべてのリリースにはYouTubeコンテンツIDが含まれており、すぐに収益化することができます。初期費用はかからず、無制限に楽曲のリリースが可能。Social Platforms上の楽曲によって生まれる収益の80%の収益がアーティストの手元に入ります。

Social Platformsはアーティストがストリーミングサービスに音楽をリリースする「前段階」として、ソーシャルメディアネットワークに音楽を配信できるサービスと言えます。ファンのフィードバックを受けることで、正式なリリース前に楽曲をブラッシュアップさせることができるのです。

その一例となるのが、TuneCoreを利用して楽曲を配信しているアーティストのCharlotte Sandsです。2020年11月、Sandsは自分の楽曲“Dress”のデモを投稿しました。投稿からわずか数時間後、このTikTok動画はバイラル化しました。コメント欄には、曲をリリースしてほしいという要望が多く寄せられました。ファンは、投稿された断片だけでなく、曲全体を聴きたいと思っていたのです。

Sandsは数日後に曲をリリースし、“Dress”は、New Music Fridays、Teen Beats、New in Pop、Fresh Finds Popなど、複数の人気Spotifyプレイリストに掲載され、その週のFresh Findsプレイリストのカバーアーティストにも選ばれました。現在、SandsはSpotifyで月間100万人以上のリスナーを獲得しており、“Dress”は1100万回のストリームを記録し、TikTokのオリジナルビデオは130万回再生されています。彼女はTuneCoreの親会社であるBelieveと契約しており、今年の秋口に新しいEPをリリースしました。今年の残りの期間は、Yungbludのオープニングアクトとして全国をツアーしています。これらはすべて、彼女がTikTokにデモを投稿したことがきっかけで、1年も経たないうちに起こったことです。

TuneCoreのCEO、Andreea Gleeson氏は「ソーシャルメディアにはゲートキーパーがいないので、何が好きか、何が流行るかは、ファン自身が決めることができます。ファンの行動や音楽の発見が変化すると、アーティストもそれに合わせて変化する必要があります。TuneCoreは、インディーズのアーティストがファンとつながり、バイラルな瞬間を得ることを可能にするだけでなく、それらのインタラクションを収益化することもサポートします」と述べています。

日本でのサービス開始は現時点でアナウンスされていませんが、今後注目したい動きですね。

文:Soundmain編集部

【参考サイト】

TuneCore Launches Social Platforms to Accelerate Music Discovery for Independent Artists
https://www.globenewswire.com/news-release/2021/11/16/2334973/0/en/TuneCore-Launches-Social-Platforms-to-Accelerate-Music-Discovery-for-Independent-Artists.html