2021.11.16

YouTubeが動画の「低評価」数を非公開化。音楽クリエイターへの影響は?

自身のMVや制作スキルTipsの公開まで、今では音楽クリエイターが制作するYouTube動画のコンテンツも多様化しています。

音楽クリエイターとYouTubeの関係性は、以前より深いものになっているといえますが、最近、YouTubeでは「低評価攻撃(dislike attack)」と呼ばれる嫌がらせ行為が問題になっています。

そのような事態に対し、YouTubeは投稿動画に付けられた低評価の数を非公開にすることを決定。アメリカ時間11月10日より「順次展開」していくことを発表しました。

ちなみにこの記事を執筆している11月15日現在、日本のYouTubeでも高評価の数は一般ユーザー向けに公開されているものの、低評価の数はすでに非公開となっています。

これにより、一般ユーザーは低評価の数を確認することはできなくなりましたが、仕様変更後も低評価ボタン自体はYouTubeに存続するため、これまでどおり、投稿動画に低評価をつけておすすめ度合いを引き下げたり、動画に対する不満を個人的に表明することは可能です。また、動画のクリエイター側は、他のすべての非公開の指標とともに、自分が公開した動画に対する低評価数を確認することができます。

YouTubeの「低評価」ボタンは、同サービスを運営するGoogleが何年も前に悪気なく開発したものだったといいます。しかし、その後、一部のユーザーに対して、悪影響を及ぼすものになっていきました。また、そういった悪意あるユーザーによる低評価の数は、ハラスメントの手段であるだけでなく、一部のユーザーのメンタルヘルスに悪影響を及ぼす要因でもあることが、研究者らによって指摘されています。

そのような状況を受けて、YouTubeでは、今年に入って低評価ボタンに対する変更を実験し、不当に低評価攻撃の標的にされるクリエイターやユーザーの数が減少したことを確認したと方向しています。

今回の仕様変更について、YouTubeは、より多様なクリエイターを受け入れ、彼らに対する敬意と安全性を高めたいと考えているためとし、これを「クリエイターをハラスメントから守るためにわれわれが継続している多くの取り組みの1つ」と説明しています。

音楽業界でも近年、メンタルヘルスは見過ごせない問題となっています。今回の仕様変更は、コンテンツを投稿する音楽クリエイターにとっても少なからずポジティブな影響を与えることになるのではないでしょうか?

文:Soundmain編集部

【参考サイト】
https://japan.cnet.com/article/35179280/

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