2021.11.02

「4割の音楽リスナーは音楽制作に興味を持っている」コンサルティング会社Activateのレポートより

ニューヨークとサンフランシスコにオフィスを持つコンサルティング会社Activateが、「テクノロジー×メディア領域」についての最新動向をまとめたレポート「Activate Technology & Media Outlook 2022」を発表しました。このレポートでは、仮想通貨やNFT、メタバース、Eコマース、Eスポーツなど、ITのトレンドが深掘りされており、かなり面白い内容になっています。

今回は、その中から、音声テクノロジーのトピックをいくつか紹介してみたいと思います。

まず、これまで同様、音楽が音声メディアの聴取時間の大部分を占めており、リスナーの半数以上が、複数のメディアで音楽を楽しんでいるのが分かります。

特に、YouTube/YouTube Music、Amazon Music、Spotify、Pandoraなど、無料で使うことも、お金を払って有料会員になることもできるサービスが人気の上位を占めました。

また、音楽リスナーの66%が有料の音楽サブスクリプションを現在使っている一方で、音楽リスナーの88%が、今後は音楽のサブスクリプションにお金を使いたくない、と答えているのも興味深いです。

「無料で聴けること」「広告無し」「高音質で聴けること」が重要視されているとのデータもありますね。

音楽ジャンル的には、Hip-Hop/R&Bの伸びが著しい一方で、ダンス/エレクトロニックがほとんど伸びていないのがストリーミングの特徴。ロックやポップスは平均的な伸びでした。

また、TikTokが音楽シーンに与える影響は大きく、特に若いユーザーの間で新しい音楽を見つけるのに使われることでバイラルヒットが次々と生まれています。レポートではMasked Wolf「Astronaut in the Ocean」、Olivia Rodrigo「Drivers License」、Surfaces「Sunday Best」の3曲のバイラルが紹介されています。

ポッドキャスト市場も伸びています。Apple MusicやSpotifyのように、音楽ストリーミングサービスにポッドキャストが組み込まれることで、リスナーがポッドキャストにアクセスする機会が増えているとのこと。ポッドキャストは配信のハードルが低く、様々なクリエイターがポッドキャスト番組を配信することで、音声メディアに新たなリスナーが生まれることも示唆されています。

最後に、音楽リスナーのうち40%がすでに音楽を作っていたり、音楽制作に興味がある、と答えているのも印象的。

これは18歳以上の音楽リスナー4018人に調査した結果で、具体的には23%が音楽制作を行っている、17%が興味を持っている、と答えています。

アメリカ全土では約4300万人のDTMerがいることになります! 面白いですね。

文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)

【参考サイト】

Activate Technology & Media Outlook 2022(リンク先PDF)
https://s.wsj.net/public/resources/documents/Activate%20Technology%20and%20Media%20Outlook%202022.pdf