
5ステップで簡単! DAWでのアナログサウンドの作り方【音楽制作TIPS by PIANO FLAVA②】
トラックメイカーのPIANO FLAVA(@piano_flava)です。日々の制作で「これは役立つぞ!」と感じたTIPSを紹介するこのコーナー。第2回目の今回のテーマは、「DAWで作るアナログサウンド」です。
今回は、以下の5種のアナログ系プラグインを使って、クリーンなハウストラックをローファイ・ハウスにアレンジしてみようと思います。
1. サチュレーション
2. テープ
3. ビットクラッシャー
4. ノイズ
5. EQ
1. サチュレーション
多くの人が「アナログらしさ」と聞いてまず思いつくのは、このサチュレーションなのではないでしょうか。
サチュレーションとは、機材が扱う適正な信号レベルよりも負荷を与えて(=オーバーロード)、意図的に歪ませること。具体的には、倍音の付加と、わずかなコンプレッションですね。
例えばプリアンプ&EQのNeve 1073は「シルキーで甘い」と評されるサウンドですし、コンソールSL 4000 Eのプリアンプは「透明」なアナログ感が得られるとされています。
上記の機材をモデリングしたプラグインも数多く存在しますが、筆者はVertigo Soundのコンプとハーモニックジェネレーターを一台にまとめたプラグイン、Acusica Audio Crimsonをよく使っています。

ほかに、3種類のプリアンプを再現したWaves NLS Non-Linear Summerもオススメです!

2. テープ
テープによる音質の劣化も代表的なアナログサウンドのひとつです。
StuderやAmpexのテープレコーダーのようにクリーンな音質から、カセットテープのようなローファイな質感まで様々です。
筆者はパラメータの調整がしやすいToneBoosters ReelBusをよく使います。テープの回転スピードを遅くして、ワウフラッター(メディアが回転していることで生じる音揺れ)を上げてみましょう。

また、レコードの質感を再現したプラグインiZotope Vinylも愛用者が多いですね。

3. ビットクラッシャー
E-MU SP1200やAKAI S950といったビンテージサンプラーの質感を再現することも、アナログ感を出すのに有効です。
厳密に言うと、上記の機材はともにデジタル機材なのですが、扱えるビット数(=データのきめ細かさ)が12ビットなので、現在レコーディングや楽曲制作でよく使われている24ビットと比べると、実に4096倍もの粗さが生まれることになります。
そのためビットクラッシャーでビット数を落とすことがアナログ感につながるわけですね。
筆者はD16 Group Decimortをよく使っています。

4. ノイズ
デジタル化が進み、アナログ機材を使う際に必ず発生するノイズを気にする機会も減りましたが、あまりにもサウンドがクリーンすぎる場合はノイズを加えるのも有効です。
ヒスノイズやレコードのノイズをうっすら加えると雰囲気が出ることが多いですね。
筆者は、ピアノ音源Native Instruments NoireのFX部でノイズを鳴らすことが多いです。

他にも、自然音や街の音を加えるトラックメイカーも多いですよ!
5. EQ
最後に、イコライザーで調整して完成です!
(筆者は、Waves Renaissance Equalizerを使っています)

以上になります。
是非あなただけのアナログサウンドをDAWで再現してくださいね。
文・音源: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)