2021.10.20

ジェイムス・ブレイクが最新アルバムで使用した、Rhodes系シンセの意外な使い方

UK出身のプロデューサーで、現在はUSのメインストリームで活躍する人気ラッパーとのコラボや楽曲提供でも知られるジェイムス・ブレイク(James Blake)が今年10月8日に、5枚目のアルバムとなる『Friends That Break Your Heart』をリリースしました。

全12曲入りとなったアルバムについて、ジェイムス・ブレイクは「5作目のアルバムが最高傑作になる人は意外と多い」と、Apple Musicに語っていますが、最近公開されたBillboardのインタビューでは、今作の制作時に使用したシンセについても語っています。

ジェイムス・ブレイクによると、今回はハード、ソフトの両方のシンセを使用しているとのことですが、その使用方法は必ずしも一般的ではないようです。

例えば、シザ(SZA)をフィーチャーした「Coming Back」では、Rhodes系エレピのソフトシンセ「ARTURIA STAGE-73 V」をパーカッシブなサウンドを生み出すために使用。ジェイムス・ブレイク曰く、この使い方は、“Rhodesのパーカッシブな音を超高音にしたら、めちゃくちゃな音が出る”ため、Rhodesで奇妙な音を出したいと思っている人におすすめとのことです。

そのほかに元々はビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)のために作られた曲だったという「I’m So Blessed You’re Mine」では、Five12のユーロラック対応の高機能シーケンサーモジュール「Vector Suquencer」を使用したほか、「Show Me」のキックドラムでは、「これを手に入れた時にこれ以上の機材はないと思った」と絶賛するセミモジュラー・アナログパーカッションシンセサイザー「Moog DFAM」を使用。

また、今作でも自身のキャリア初期から愛用しているDave Smith Instrumentsのアナログシンセ「Prophet 08」も使用しているとのことです。

ジェイムス・ブレイクは自身が所有するシンセについて、「かなりの費用を費やしているけど、満足しています。なぜならシンセを使ってお金を稼いでいるし、シンセは本当に稼がせてくれるしね」とコメントしています。

今回、ジェイムス・ブレイクが語ったARTURIA STAGE-73 Vの意外な使い方は特に、音楽クリエイター的にも真似してみたいテクニックですね。気になった方は「Coming Back」を聴いて、実際にどのように使われているかチェックしてみてはいかがでしょうか?

文:Soundmain編集部

【参考サイト】

Geeking Out: James Blake On New Album ‘Friends That Break Your Heart’ | Billboard
https://www.billboard.com/articles/columns/pop/9641110/james-blake-friends-that-break-your-heart-geeking-out-interview/