
Tracklibが1,220万ドルを調達。コミュニティとしての機能をより強化
音楽サンプリングプラットフォームTracklibが、SONY INNOVATIONFUNDの主導で1,220万ドルを調達しました。
今回の資金調達は、既存の投資家および新規の投資家、両方から受けており、その中には元NBA選手で俳優、音楽プロデューサーのバロン・デイビスを含みます。
Tracklibは、これまでに合計2,120万ドルの資金を調達していますが、今回の資金調達により、プロデューサーやアーティストとのコラボレーションなどの「コミュニティの強化」、および利用可能なカタログの拡大とプラットフォームとしての機能強化を図るとしています。
そもそもサンプリングとは、既存の曲や音源の一部を切り出し、再構築して新たな楽曲を作り上げる手法のことですが、著作権や著作隣接権(原盤権)のクリアランスの難しさから、完成した曲を非合法的にネットなどで公開する人も多いのが実情です。
一方、Tracklibを利用することで、個人でもサンプリング許諾を簡単に取ることができるようになりました。
大物ヒップホップアーティストのJ. Coleも利用しており、グラミー賞にノミネートされた楽曲「Middle Child」では、実際に彼が500ドルを支払って正式なライセンスを取得したホーンセクションのサンプルが使われています。
TracklibのCEOであるPӓr Almqvistは次のように語ります。
「オリジナル楽曲のサンプルは、アーティストやプロデューサーが音楽を作る上で不可欠なものです」
「より良いサンプリング方法を確立することで、音楽クリエイターの創造性を解放するというTracklibのビジョンを支援するために、既存および新規の投資家が関心を寄せてくれていることに感激しています」
また、バロン・デイビスは
「クリエイターにとって素晴らしいツールだ。このツールのおかげで、自分のプロジェクトに取り組む自信がつき、楽曲をリリースすることができた」
「サンプルを聴いて、他の人がどんな曲を出しているか見ることもできるんだ」
と語っています。
Tracklibのカタログは、世界中の400以上のレコードレーベル/出版社から提供された、10万曲以上のレコーディング音源で構成されています。
カタログには、アイザック・ヘイズやモーツァルトなどのアーティストや、ジャズミュージシャンのボブ・ジェームスなどが含まれており、これらの音楽はRun-DMC、Ghostface Killah、Warren G、Röyksoppなどにサンプリングされています。
文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)
【参考サイト】
Music Sampling platform Tracklib raises $12.2m, led by Sony Innovation Fund – Music Business Worldwide
https://www.musicbusinessworldwide.com/music-sampling-platform-tracklib-raises-12-2m-led-by-sony-innovation-fund/
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