
TikTokがストリーミングサービスAudiusと提携。その意義とは?
TikTokは先月、音楽ストリーミングサービスAudiusとの提携を始めました。
その目的は、TikTokに音楽をアップロードするプロセスを合理化すること。これによりアーティストは、楽曲をAudiusにアップロードして簡単にTikTokで共有することができるようになります。
Audiusのプロダクト最高責任者(CPO)であるForrest Browning氏は次のように語ります。
「現在、未契約のアーティストがTikTokに楽曲をアップロードする一般的な方法は、スマートフォンをノートパソコンにかざして自分の曲を再生し、それをBGMとして追加することです。それは良い方法とは言えません。今後はどのアーティストも、Audiusにすでに登録されている楽曲を、ワンクリックでTikTokにエクスポートすることができます」
なお、Audiusは、Apple MusicやSpotifyのようなストリーミングサービスとは異なり、「音楽」と「ブロックチェーン技術」が交差した稀有なプラットフォームでもあります。
ユーザーがアップロードした音楽はブロックチェーン上に登録されるため、著作権保護や、NFTを用いたマネタイズとの親和性が高いとされています(実際にAudiusでは独自トークン(=仮想通貨)である「AUDIO」が発行されており、これを換金することも可能です)。
今回の提携で、楽曲がバイラルで広まってもブロックチェーン技術を利用して大元のクリエイターが誰かを追跡しやすくなることなどが予想されます。
Audiusには、Skrillex、deadmau5、Diploなどを含む10万人以上のアーティストが登録しており、8月の月間アクティブユーザー数は500万人を突破しました。また、今月17日には、Katy Perry、Nas、The Chainsmokersなどの著名アーティストから合計500万ドル(約52億円)の出資を受けたことも分かり話題になっています。
文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)
【参考サイト】
TikTok Partners With Audius Streaming Service for New ‘Sounds’ Library
https://www.digitalmusicnews.com/2021/08/18/tiktok-audius-sounds-partnership/
新音楽プラットフォーム「Audius」設立者に訊く、真のアートファーストと資本主義社会の共存への挑戦:starRo連載『Let’s Meet Halfway』
https://wired.jp/2020/09/20/starro-audius/