2021.09.14

レコードだけでなくCDも? 2021年上半期フィジカルアルバムセールスが4割増

音楽リスニング体験の主流がCDからストリーミングに移行したと言われる一方で、アナログレコードの需要が現在も右肩上がりで上昇を続けていることはすでに多くの音楽好きが知るとおり。しかし、今年上半期はその傾向がさらに高まっているようです。

MRCデータによりますと、今年上半期のアナログレコードアルバムの売り上げ枚数は1900万枚以上を記録。これは昨年の同時期の売り上げ枚数900万枚と比較すると108%も増加したことになります。

一方で、デジタルアルバムの売り上げは減少傾向にあり、昨年の同時期より27%減の500万枚相当分の減少が見られました。この減少分はストリーミングに移行したと見られています。

また、昨年と変化を見せたのがCDアルバムです。CDアルバムの売り上げ枚数はダウンロードやストリーミングの台頭によって、ここ20年に渡り、減少の一途を辿っていましたが、なんと今年上半期はその状況が一変。昨年の同時期の売り上げ枚数1850万枚から2.2%の増加が見られる1890万枚を売り上げていたことがわかりました。

アルバム全体の売り上げ枚数は、先述のデジタルアルバムの減少にも関わらず、今年上半期は昨年の同時期の4550万枚から5230万枚へと12.6%の堅調な伸びを記録。さらにフィジカルアルバムに関してはアナログレコード、CDともに増加が見られ、前年比37.5%増の約2800万枚から3800万枚の売り上げ枚数を記録しています。

このデータからは、アナログレコード、CDともにフィジカルフォーマットの物理的な売り上げは健在であり、しかも成長傾向にあるということです。また、現在、アナログレコード需要の増加に起因するレコードプレスの遅延が起こっていますが、その代替品として選ばれるケースが増えていることからCDの需要がにわかに伸びてきているようです。

今年上半期の傾向を見る限り、アーティストは今後、アルバムのようなまとまった作品に関して、セールスを伸ばしたい場合は、ストリーミングだけでなく、アナログレコードやCDといったフィジカルフォーマットでのリリースもあわせて検討してみると良いかもしれません。

文:Soundmain編集部

【参考サイト】
https://www.hypebot.com/hypebot/2021/09/physical-music-sales-actually-went-up-in-2021.html