2021.07.21

AKAIがMPCに搭載のファームウェアをアップデート。オートチューン系エフェクトなど新プラグインが追加

サンプラーのMPCシリーズで知られるAKAI Professionalが、同社のスタンドアローンMPCシリーズ(MPC One、MPC Live II、MPC X)に搭載されるファームウェアのアップデート版「MPC v2.10」を発表しました。これにより、スタンドアローンMPCでのさらにパワフルでクリエイティブな音楽制作が実現します。

MPC v2.10では、新たに音楽機材メーカーAir Music Tech社製のボーカル用インサートエフェクト・コレクションが複数追加されています。

中でも注目したいのは「AIR Vocal Tuner」です。ボーカルトラックのピッチを強力に補正する、スタンドアローンMPCシリーズ初のボーカルチューナーFXで、音程の微妙な調整や最近のヒップホップやハイパーポップ系のトラックで多用されているオートチューンサウンド作成など、現代的なボーカル制作のための強力なツールになっています。

オートチューンの歴史を解説した動画

また、これまでAKAI Forceでしか使用できなかった、ピアノ、アナログ・シンセ、ウェーブテーブル・パッド、リード、FM音源など、1500以上のプリセットが用意された「AIR Hype」、クラシックなテープベースのキーボードマシンを再現したシンセエンジンでありながら、視認性の高い鮮やかなGUIにより、複雑なテクスチャーや音色を作り出すことができる「AIR Mellotron」、1つのシンセ・パートを演奏するだけでなく、複数の音色を重ねることで充実したアンサンブルを実現するストリングス系プラグインの「AIR Solina」、アナログシンセサイザーの名機を忠実に再現した「WayOutWare Odyssey」といった4種類のシンセエンジンも新たに追加されています。

ほかにも、Half Speed/Stutter/Diode Clipper/AIR Diffuser Delay/Granulator/Sample Delay/AIR Limiterの7種類のAIR Music Tech製インサートエフェクトや10種類のドラムパッド・エフェクトも追加されています。

さらにMPC v2.10へのアップデートに伴い、クラス・コンプライアントUSBオーディオ・インターフェースに対応。これにより入力数を増やしてMPC Oneでより多くのトラックを録音したり、MPC Live IIやMPC Xの出力を拡張して外部アナログデバイスにオーディオをルーティングすることなどが可能になっています。

MPC v2.10はAKAI Professionalの公式サイトでダウンロードできます。既存ユーザーは早速、MPC v2.10にアップデートしてみてはいかがでしょうか?

AKAI Professional「MPC v2.10」
http://akai-pro.jp/index.php