
TikTokがSpotifyと提携、7ヶ国のユーザーにSpotify有料サービスを無料提供
先週、YouTubeが日本を含む世界100か国以上でTikTokの類似機能「YouTube ショート(Shorts)」ベータ版の提供開始を発表するなど、TikTokは現在、競合サービスからの激しい追い上げを受けている状況です。
そんな中、TikTokを提供するBytedanceは次の一手として、同社の傘下企業と音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyとの提携を発表。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポーランド、トルコの7カ国のTikTokユーザーにSpotifyの有料機能「Spotify Premium」を3~4ヶ月間の期間限定で無料提供することがわかりました。
7月13日からスタートしたこのサービスでは、これまでにSpotify Premiumに加入したことがない18歳以上のTikTokユーザーを対象にSpotify Premiumを利用できるオファーコードが配布されます。
対象のTikTokユーザーは、アプリの「For You」及び「Discover」ページ、「Me」ページのプロフィールアイコンからこのオファーにアクセスできるほか、TikTok上で「Spotify」を検索するか、もしくはモバイルデバイスから指定のリンクをクリックすることでもアクセス可能です。
今回の提携にあたり、TikTokのヨーロッパ成長部門責任者であるDavid Nunez氏は、「TikTokは、音で楽しむ没入型の体験であることから、ユーザーがプラットフォーム上でコンテンツを作成するなど、コンテンツに関わる際に音楽は中心になります」「今回、Spotify Premiumを提供することで、ユーザーは、TikTokで発見したアーティストや楽曲をより楽しめるようになりました」と述べています。
一方、Spotifyの兼副社長でプレミアム・ビジネス・ディベロップメント部門のグローバル責任者も兼任するMarc Hazan氏も、「世界有数のオーディオストリーミングサービスとして、いくつかの市場で対象となるTikTokユーザーに、いつでもどこでも好きな音楽やポッドキャストへのアクセスを提供できることに興奮しています」「TikTokの熱狂的、かつ、発展中のユーザーベースに対して、何百万もの楽曲を広告なしで、オンデマンド/オフラインで提供できるなど、Spotify Premiumが持つ多くの利点を紹介できることを誇りに思っています」と述べています。
近年、TikTokとSpotifyは音楽業界における新たな“ヒットの法則”であるバイラルヒットに深く関わるサービスであり、音楽ストリーミング経済に対する大きな影響力を持っています。
今回の提携は、TikTokがストリーミングの消費を促進し、Spotifyの膨大な音楽カタログが動画アプリに音楽コンテンツを供給するなど、両プラットフォーム間の共生関係がますます高まっていることを反映していると言えそうです。
アーティストにとっても、これまで以上にTikTokユーザーに自分の曲を知ってもらうことが、自分の曲を広げていく上で重要な要素になっていくかもしれません。
【参考サイト】
https://www.musicbusinessworldwide.com/eligible-tiktok-users-can-now-get-spotify-premium-for-free-in-the-uk-france-germany-italy-spain-poland-and-turkey/
https://www.musicweek.com/digital/read/spotify-and-tiktok-team-up-with-subscriber-offer/083689