
歌詞カタログサービス「Musixmatch」が音楽ディストリビューションサービス開始を発表
聴いている音楽の歌詞をその場で確認できる音楽プレイヤーアプリ「Musixmatch」を手がけるイタリア発の歌詞配信サービスのMusixmatchが、新たに音楽ディストリビューションサービス「Musixmatch Pro」の提供を開始することを発表しました。
Musixmatchは、現在、毎月7000万人以上のユーザーに利用されており、これまでにDrake、Billie Eilish、Dua Lipa、Jay-Z、Taylor Swiftといった大物アーティストを含む50万人以上のアーティストがMusixmatchを通して、自身の作品の歌詞を管理しています。
今回発表されたMusixmatch Proは、ミュージシャン、ソングライター、プロデューサー、エンジニア、レーベル、パブリッシャーなど“すべての音楽クリエイターや業界のプロ”を対象に、“楽曲クレジットの確認、著作権の主張と管理、音楽の配信、ロイヤリティや報酬の獲得ができるセルフサービスのプラットフォーム”を提供することを目的に立ち上げられるサービスです。
一般的な音楽ビジネスの契約では、ミュージシャンはレコーディングの現場から、ソングライターは楽曲そのものに付随する著作権から、それぞれロイヤリティを得ています。
しかし、現在はグローバルなデジタルライセンシング環境が複雑化し、特に小規模なソングライターにとっては、グローバルに自身の音楽作品のロイヤリティを追跡することは負担が大きく、費用もかかるようになりました。その結果、ロイヤリティが未払いの楽曲の数は増え続けています。
また、現代のアーティストはソングライターとパフォーマーの両方を兼ねているにもかかわらず、ロイヤリティを請求する場所が複数存在します。
Musixmatchでは、そのような課題解決のために「ひとつのエントリーポイントを通じて、音楽制作と音楽出版の世界を再びマッチングさせたい」と考えたと述べています。
Musixmatch Proは、楽曲、歌詞、ビジュアル要素および、関連するメタデータの検証などを一括で管理できることが特徴で、音楽配信や歌詞管理といった機能のほかにもポートフォリオ作成機能やウォレット機能が搭載されています。
公式ポートフォリオ作成機能では、これまでにユーザーが関わった全ての音楽作品のクレジットを網羅したユーザーの公式なポートフォリオを作成することができます。
ポートフォリオに掲載されるクレジットは、Musixmatchによって検証された後に同社のウェブサイトやアプリに表示されるほか、APIを通じて、Apple Music、Tidal、Amazon Music、Spotifyなど、Musixmatchのすべてのパートナープラットフォームが利用できるようになります。
また、ウォレット機能では、楽曲配信の統計情報や自動支払いされるロイヤリティの明細を確認することができます。
Musixmatch Proは、2021年第4四半期より開始予定のため、まだ詳しい使い方や利用料などは明らかになっていませんが、PCのデスクトップ/スマホの両方で使えるスタンドアローンのプラットフォームになるとのことです。
なお、Musixmatchの公式サイトでは現在、Musixmatch Proのアーリーアクセス登録希望者の募集が開始されています。
Musixmatch「Musixmatch Pro」
https://about.musixmatch.com/pro
【参考サイト】
https://blog.musixmatch.com/introducing-musixmatch-pro-edde3f1e61d4
https://www.musicbusinessworldwide.com/over-500000-artistss-already-manage-their-lyrics-through-musixmatch-now-its-expanding-into-distribution/