2021.07.02

音楽ディストリビューションサービス「DistroKid」でドルビーアトモス音源の配信が可能に!

先月、Apple Musicがロスレス・ハイレゾフォーマットによるHi-Fi音質ストリーミングとともにスタートさせた空間オーディオをきっかけに、ドルビーアトモスによる立体音響音源に注目が集まっています。

そんな中、音楽ディストリビューションサービスのDistroKidが、主要ディストリビューションとしては初となるドルビーアトモス音源のApple MusicとTIDALへの配信を開始することを発表しました。

ドルビーアトモス音源は、一般的なステレオミックス音源のようにトラックを左右にパンニングするのではなく、各トラックが独立した“オブジェクト”となり、ミキシングの過程の中でそのオブジェクトを3D空間を移動させることで、没入感のあるサラウンドサウンドを実現したもの。

実際にそのスペックを聴いて楽しむには、対応のマルチスピーカーやヘッドフォンやイヤフォン、Apple Musicの空間オーディオの場合はAir Podsシリーズなどが必要になります。

また、音楽クリエイターがドルビーアトモス音源を制作する場合、専門的な知識が必要にはなるものの、一般的なDAWでも「Dolby Atmos Music Panner」プラグインや、「Dolby Atmos Production Suite」(Dolby Atmos Pannerプラグインや各種ツールも含まれているバンドルパック、現在はMacのみ)といった専用のツールを利用することで制作が可能になります。

DistroKidでドルビーアトモス音源をアップロードするには、DistroKidのアップロードフォームで“ドルビーアトモス”チェックボックスを選択する必要があります。

アップロードされたドルビーアトモス音源は、ドルビーアトモスに対応するストリーミングサービスで配信が開始され、サポートしないプラットフォームでは通常の2chのステレオミックス音源として配信されるとのことです。

ちなみにApple Musicでは現在、ドルビーアトモス音源は「Dolby Atmos」ロゴが表示されるため、音楽リスナーにとっても一目でその音源がドルビーアトモス音源かどうかがわかるようになっています。

年内にリリースが予定されているAppleのDAW「Logic Pro」の次期モデルにも制作のためのツールが導入されることが発表されるなど、ドルビーアトモス音源は今後さらに音楽クリエイターにとっても身近なものになっていく兆しがあります。

ドルビーアトモス音源を配信したい音楽クリエイターは、この機会に制作方法を改めてリサーチしてみてはいかがでしょうか?

【参考サイト】
https://news.distrokid.com/atmos-8f827a629ec9