2021.06.29

ビジュアル型オーディオエディター「SpectraLayers」のAI性能が強化

Steinbergが、最新のオーディオエディターソフト「SpectraLayers Pro 8」を発表しました。

SpectraLayersは⾳のスペクトラルデータの高度なビジュアル化と視覚的な編集性により、⾳楽制作やポストプロダクション、サウンドデザイン、整⾳その他のさまざまな⽤途で⼒を発揮するソフトウェア。

最新バージョンである「Pro 8」では「AI 処理が叶える人間的なタッチ」をコンセプトに、AIを用いた全く新しい機能の追加や既存のAI処理の改良、従来の機能へのAI処理追加などによって、全体の進化が図られています。

AI駆動による新機能「De-Bleed(音漏れ除去)」は、ドラムトラックなど楽器トラックの隔離の際の⾳漏れをAIならではの精度で除去します。

「Reverb Reduction(リバーブ除去)」は、AI処理が加わったことでこれまで以上にクリーンかつ、効果的に部屋の反響の特定や減衰を⾃動処理することができます。

また、スペクトラルグラフ(音の周波数スペクトラムを示すグラフ)の任意の箇所をEQプロファイルとして登録し、レイヤーをまたいで適⽤することで⾳響特性を統⼀させる「EQ Match」、任意の範囲をルーム⾳や背景⾳テクスチャーとして登録し、プロジェクト上の別の箇所に適⽤させる「Ambience Matching」の2つの機能は、異なる環境で録⾳した⾳源に統⼀性を持たせたい場合に役立ちそうです。

その他にもAI実装とピークシェイピング機能により聴覚上の効果を増⼤させる「Clip Repair」、⼈間の声を認識、隔離するようにトレーニングされた搭載の2つのAIアルゴリズムにより、会話から歌唱までさまざまな⽤途でのノイズ除去をカバーする「Voice Denoiser(音声ノイズ除去)」の改良も行われています。

ワークフロー面ではARA 2(DAWとプラグインの間でより自由度の高いデータのやり取りを可能にする規格のAudio Random Accessの新規格)統合の強化により、DAWプロジェクトのタイムライン上で可能な処理をさらに拡大。高度なサウンドデザインの追求など、多くの作業をより素早く、かつ詳細に実行できるようになったこともSpectraLayers 8の特徴のひとつだと言えるでしょう。

より高度な作業ができる整音/編集ツールとなったSpectraLayers Pro 8は、これまでボーカルトラックの細かなノイズ除去やドラムの音漏れに悩んでいた音楽クリエイターだけでなく、ポッドキャストクリエイターにとってもクリアで聴き取りやすい音声コンテンツ作りに役立つツールになりそうです。

現在は、通常価格3万3000円のところ、2万4000円のイントロ価格でSteinbergの公式オンラインショップで購入可能。旧バージョンからのアップデート&アップグレード版もあります。

Steinberg「SpectraLayers Pro 8」
https://new.steinberg.net/ja/spectralayers/