2021.06.18

Apple Musicに「レコードレーベル別検索」機能が追加。ブランディングに取り組むレーベルに恩恵

ロスレスフォーマットによるHiFi音質ストリーミングや空間オーディオが話題になっているApple Musicですが、実は最近、新たに「レコードレーベル別検索機能」も追加されたことをご存知でしょうか?

これによりApple Musicのユーザーは、Def Jam、Capitol、XL Recordings、Brainfeeder、Stones Throw、Dead Oceansなど人気レーベルのカタログをレコードレーベル単位で検索できるようになりました。

現在のアーティストは、ひと昔前とは異なり、ディストリビューションサービス等を経由してレコードレーベルに所属せずとも音楽をリリースすることができます。

しかし、近年はそういった流れがある一方で、アジア系アーティストの作品を中心にリリースする「88rising」のように、クルーとしてまとまったイメージを打ち出すことでブランディングに取り組んでいるレコードレーベルもあります。

そのようなレコードレーベルにとって、検索機能でリスナーとのマッチングの可能性が高まることは新規リスナーを獲得していく上でメリットになるはずです。

Apple Musicのグローバル・クリエイティヴ・ディレクターのZane Lowe氏は、この機能について、「私が子供の頃、ワーナーのロゴが入ったアルバムを探すことはなくとも、Rough TradeのロゴやXL、そしてメジャー・レーベル傘下のAtlanticのロゴを探し回った時期はありました。商業的な利益を犠牲にすることなく、かつ優れた品質を提供することに集中しているレーベルの作品は、自然と人々が探してくれるようになるものです」と述べています。

また、「ストリーミング時代になり、レーベルは音楽の“創造者”というよりも、流通や財務を担うものとして認識されるようになった」と指摘しながら、このような取り組みが音楽の拠点としての新たなレーベルの役割を反映することにつながると期待しています。

こういった機能などにより、レコードレーベルの価値が再定義されていくことで、そこに所属する意味や価値も再びアーティストに見出されるようになるのではないでしょうか?

【参考サイト】
https://www.hypebot.com/hypebot/2021/06/apple-music-adds-search-by-record-label.html
https://www.yahoo.com/entertainment/quiet-apple-music-feature-win-233535760.html