2021.06.17

Spotifyがライブオーディオアプリ「Spotify Greenroom」提供開始

Spotifyが、ライブオーディオサービス「Spotify Greenroom」の提供を開始しました。

“あらゆるタイプのクリエイターが、ファンとより深く、有意義につながるための新しい場”であるというSpotify Greenroomは、現在、世界135マーケットでiOSとAndroidアプリが提供されており、対象エリアのSpotifyユーザーであれば誰でも無料で利用することができます。

ルームでは、最大1000人をホストでき、スピーカーは丸いプロフィールアイコンでスクリーン上部に表示されます(リスナーはスピーカーのものより小さなアイコンで下部に表示されます)。ミュートオプションやモデュレーションコントロール(不適切な発言をした人を退出させたり、スピーカーの数を制限したりできるルームの管理機能)もあり、ホストはリスナーをステージに登壇させることもできます。

また、リスナーは「Gem」(「宝石」の意味)を使うことで、スピーカーにバーチャルな拍手を送ることもできます。スピーカーが稼いだGemの数はセッション中、プロフィール写真の横に表示されます。

こうした機能はClubhouseやTwitterのSpaces(スペース)、FacebookのLive Audio Roomsなど、他のライブオーディオサービスのものとほぼ同じですが、差別化が図られている点もあります。

Spotify Greenroomは、ホストが好きな時にオンにしたりオフにしたりできるライブテキストチャット機能を提供するほか、ライブセッションが終わった後にそのオーディオファイルをリクエストし、ポッドキャストのエピソード用に編集することができるのです。

Spotifyは、「今後も、クリエイターやリスナーが求めるライブオーディオ体験について理解を深めながら、Spotify Greenroomを進化させていく」としており、Locker Roomの強みであったスポーツコンテンツに加えて、音楽、カルチャー、エンターテインメントなどをテーマにした新番組をこれから提供していく予定です。

さらに規模などの詳細は明らかになっていないものの、オーディオクリエイター向けのファンド「Spotify Creator Fund」の設立も発表しています。

Spotifyでは今後、Spotify Greenroomに音楽にフォーカスしたコンテンツを増やしていくべく、Spotify for Artistsチャンネルを通じてアーティストにSpotify Greenroomを周知するほか、将来的には音楽クリエイター向けの収益化機能導入も視野に入れています。

アーティストには例えば、楽曲がリリースされた際に自分の作品について説明するセルフライナーノーツのライブ音声版を公開したり、それをSpotify Greenroomの機能を使ってポッドキャスト化したりといった使い方ができるでしょう。

また、最近ではSoundCloudが、Clubhouse上で若手アーティストの支援プログラムと連動したウィークリーアーティストイベントシリーズを開始するなど、ライブオーディオサービスを使った音声イベントをアーティスト支援に活用する例もみられます。

Spotify Greenroomで、そういったアーティストのキャリア支援に関わる音声イベントが開催されることにも期待したいところです。

Spotify Greenroom
https://www.spotify.com/jp/greenroom/

【参考サイト】
https://techcrunch.com/2021/06/16/spotify-launches-its-live-audio-app-and-clubhouse-rival-spotify-greenroom/
https://djmag.com/news/spotify-launches-clubhouse-rival-greenroom