2021.06.08

スマホでラップを録音・公開できる音楽アプリ「Rapchat」に注目

現在は、TikTok、YouTube、Instagramなどの登場により、モバイルデバイスを駆使することで誰もがクリエイターになれる時代になっています。

そのような状況は、音楽業界にも及んでおり、作曲アプリ「Rapcha(ラップチャット)」は、新たにモバイルデバイスを持つ人であれば、誰でもミュージシャンになれる機会を提供するツールとして注目を集めています。

Rapchatは、クラウド上にある約10万曲のカタログにあるビートにラップや歌を乗せて曲を作ることができる音楽アプリです。これまでに約700万人のユーザーに利用されており、毎月50万人のアクティブユーザーによって約25万曲が作成されています。

また、プラットフォーム上でユーザーは自分のラップや歌を公開するだけでなく、作った曲を共有したり、他のユーザーの曲を聴くなど、SNSのようにユーザー同士のコニュケーションも行えます。

このような音楽制作をテーマにしたサービスは、今後、さらに増えていくとの見方があります。例えば、FacebookはRapchatの類似機能といえる、ラップを制作・公開できるアプリ「BARS」を今年2月に公開しています。また、TikTokの親会社であるByteDanceも、別の音楽作成アプリ「Jukedeck」の買収をしており、将来的にはより多くの音楽コンテンツをTikTok本体に接続することができるようになるとの噂もあります。

Rapchatも競合サービスの到来に備え、楽曲コンペティション「Challenges」の賞金額を増やす予定だけでなく、アーティスト、プロデューサー、音楽業界人からプラットフォーム上で指導を受けられるようにしたり、TikTok、Spotify、Apple Musicなどのプラットフォームとより緊密に統合したりすることも検討しています。

また、アプリのプレミアム機能として、クリエイター向けにさらに多くの制作ツールやビートを提供するほか、音楽ストリーミングサービスへの配信やアプリ内での投げ銭などマネタイズするための機能も提供していく予定です。

音楽シーンでは、iPhoneの音楽アプリ「GarageBand」でラップを録音してすぐにSoundCloudで公開する“SoundCloud Rap”が人気になるなど、身近なモバイルデバイスを使って、音楽制作する若いクリエイターが増えています。

現在、クリエイターが利用する配信プラットフォームの進化や、それに伴うクリエイターカルチャーが広がりを見せています。このような配信プラットフォームと制作アプリを掛け合わせたワンストップのサービスによって、より“モバイルファースト”な音楽や、その担い手たちによる新たな音楽カルチャーが生まれてくるのではないでしょうか?

Rapchat
https://rapchat.com/

【参考サイト】
https://jp.techcrunch.com/2021/06/01/2021-04-30-rapchat-tunes-into-2-3m-as-its-music-making-app-hits-7m-users
https://www.forbes.com/sites/andreazarczynski/2021/04/30/how-rapchat-is-disrupting-music-creation-and-careers/