2021.06.03

AIによるミュージックビデオ生成サービス「Rotor Videos」に注目

今年3月に日本レコード協会が発表したレポートによると、2020年の音楽配信売上のうち、ストリーミングによるミュージックビデオ(MV)の配信売上は前年比147%の19億円となっています。

また、MV以外にもTikTokやInstagram「Reels」、YouTube「YouTube Shorts」などのショート動画がSNSで人気を博すなど、アーティストが楽曲を収益化・プロモーションしていく上で、リスナーの目に止まりやすい動画の需要が高まっています。

とはいえ、アーティストにとってMVの制作・編集は、時間とコストがかかる作業であることは間違いありません。しかし、そういった課題もAIテクノロジーを使ってMVを制作する「Rotor Videos」のようなサービスを使うことで、解決に向かうかもしれません。

Rotor VideosではAIがアーティストの楽曲を分析することで、通常のMVのように長時間の撮影を必要とすることなく、簡単に動画を作成することができます。長編のプロモーション用MV、リリックビデオ、SNSやストリーミングサービス用の短いクリップなど、さまざまな種類の動画を制作することが可能です。

ユーザーがRotor Videosに自分の楽曲をアップロードすると、楽曲と同じ長さの動画を生成する準備が整います(SNS用の短いクリップに編集することもできます)。次に、自前の写真や映像などの素材をアップロードするか、もしくは6000点の画像・映像が用意されたRotor Videosのライブラリの中から動画で使う映像素材を選択します。

こうした編集プロセスを経て、AIが自動で動画を生成します。その後、MVのディレクターやビジュアルアーティストが考案した40種類以上の編集スタイルから自分の好みにあったものを選択します。ユーザーはプレビューを見ながら必要に応じて、アーティスト名やレーベル名などのテキストを加えたり、各プラットフォームに合わせた画角に調整することも可能です。

完成した動画は、高解像度の1080P動画の場合、30秒以下の動画は9ドル(約980円)、それ以上の長さの動画は19ドル(約2080円)で購入でき、購入後にユーザーは自分のMVとして、YouTubeなどで公開することができます。

またRotor Videosでは、ワンオフの買い切りだけでなく、作成する動画の数に応じて月額6.25ドル(約680円)〜69ドル(約7570円)までの定額で利用できるサブスクリプションプランが用意されています。いずれの場合もリーズナブルな価格で利用できるのがこのサービスの利点といえるでしょう。

現在は、スマートフォンでも4Kのような高画質映像の撮影が可能になったほか、SNSを通じてユーザーが動画を視聴する機会が増えるなど、動画は以前よりも身近なものになっています。これまで予算面の問題で動画に取り組むことができなかったアーティストもこういったサービスを利用することで、MVやショート動画による自身の楽曲の収益化やプロモーションの機会を増やすことができるのではないでしょうか?

Rotor Videos
https://rotorvideos.com/

【参考サイト】
https://www.hypebot.com/hypebot/2021/06/music-video-production-could-be-a-thing-of-the-past-thanks-to-ai-generated-videos.html