
Twitchが著作権許諾のない楽曲を使った動画について警告。改めてガイドラインの確認を
動画配信プラットフォームのTwitchが、今後新たにDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に違反する楽曲を使った動画を配信した際、削除される可能性が大きいという警告をしています。
DMCAとはアメリカで施行されている、オンラインにおける著作権で保護された素材の使用を管理する法律です。DMCAのもと著作権者や団体から侵害について通知されたプラットフォームは、問題のコンテンツを削除すれば訴訟を免責されるとの規定があります。
元々はゲーム配信者向けの動画配信プラットフォームとして人気だったTwitchでは、ゲーム実況のライブ配信のBGMとして、著作権で保護された楽曲が使われることがありました。また、コロナ禍以降はDJ配信など従来とは異なる形でのライブ配信が増えたことで、DMCAに違反する動画への権利者からの著作権侵害の申し立ても増えていました。
そのような事態を受け、昨年6月にTwitchは、動画の配信者に向けてDMCA規定のもと、音楽の権利所有者から動画の削除要請を通告される可能性があると警告。音源使用に関して定めたTwitchの「音楽使用に関するガイドライン」を遵守するように求めていました。
しかし、その後も著作権侵害の申し立ては続いており、昨年10月には大量の動画を「DMCAに違反した音楽を使用している」として削除しています。
著作権侵害に関して、今年5月末にTwitchは、新たにアーカイヴされた動画で使われていた楽曲がDMCAに違反するとして、権利者から1000件分の著作権侵害の申し立てを一括で受け取ったことを動画の配信者に通知しました。
Twitchが“DMCA規定のもと、音楽の権利所有者から削除要請を通告される可能性がある”と警告しているものには、ゲーム実況やDJ配信以外に、ラジオスタイルの音楽番組、カラオケ、口パク、音楽の視覚的描写、楽曲カバーも含まれており、これらの配信を行う場合は、ライブ配信者が楽曲の所有権またはTwitchでの共有許諾を得る必要があります。
現在Twitchでは、著作権侵害の申し立てによる動画削除を避けるための方法として、配信者に動画で使用できる著作権フリー音源のライブラリ「Soundtrack by Twitch」の利用を推奨しています。
Twitchにはアフィリエイトプログラム、パートナープログラムのほか、配信チャンネルのサブスクリプション、投げ銭など配信者が動画から収益を得る機能があり、コロナ禍以降はこういった機能を利用して収益を得るアーティストも増えています。
今後、動画で使われる楽曲の著作権侵害に対するTwitchの取り締まりが強化されるのであれば、Twitchで配信を行うアーティストや動画クリエイターは今一度、自分の動画が著作権侵害に当たらないかどうかをガイドラインで確認しておく必要があるでしょう。
Twitchの音楽に関するガイドラインはこちら。
https://www.twitch.tv/p/ja-jp/legal/community-guidelines/music/
【参考サイト】
https://www.digitalmusicnews.com/2021/05/31/twitch-warns-dmca-notices-incoming/
https://e-words.jp/w/DMCA.html
https://www.musically.jp/news-articles/twitch-music-guidelines-rule-out-dj-sets-without-licences?rq=Twitch
https://www.theverge.com/2020/10/20/21525481/twitch-streamers-dmca-takedown-notices-riaa-copyright
https://blog.twitch.tv/ja-jp/2020/09/30/introducing-soundtrack-by-twitch-rights-cleared-music-for-all-twitch-creators/
画像:https://flic.kr/p/27V32Lb