
「Bandcamp Friday」8月から再開、コロナ禍でのアーティスト支援を継続
2020年3月以降、毎月第一金曜日に開催されてきたBandcampの「Bandcamp Friday」が、今年8月から再開されるようです。
Bandcamp Fridayは、毎月第一金曜日の24時間に限り通常Bandcampが差し引く販売手数料を放棄し、その分をアーティストやレーベルに還元するという、コロナ禍による経済的な打撃を受けたアーティストやレーベルの支援を目的にした企画です。
今年5月の時点でのBandcamp Fridayの発表によりますと、過去12回の開催でファンがアーティストやレーベルに支払われた総額は5200万ドル(約57億円)にものぼるといいます。
これまで継続的に開催されてきたBandcamp Fridayですが、昨年末に発表された開催スケジュールは今年5月7日の開催をもって消化されており、今後の開催に対するアーティストやファンからの注目が集まっていました。
現在、欧米では新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだことにより、コロナ禍以降自粛を余儀なくされてきたフェスの開催発表やクラブの営業再開など、ライブエンタメシーンの再始動に向けた動きが活発化しています。
しかしながら、業界の完全復活にはまだしばらく時間がかかります。The Vinyl Factoryによると、新たなBandcamp Fridayのスケジュールは、今年8月の再開後から年内いっぱいは開催されるとのことです。
Bandcamp Fridayでは、ファンが音源やグッズを購入した際に支払う金額の平均93%(決済会社の手数料差し引き後)がアーティストやレーベルの収益となります。しかし、それ以外の日に購入した場合でも平均82%がアーティストやレーベルの収益になることから、アーティストにとっても収益性の高い販売プラットフォームになっています。
また最近、BandcampはiOS/Androidアプリでオフラインダウンロードによる再生を可能にしたほか、アーティストのアナログレコード販売需要の高まりを受け、クラウドファンディングでアナログレコードをプレスできるサービスの対象者を1万組追加させるなど、サービスを拡大させています。
このアナログレコードプレスサービスは、ファンからの予約注文を通じて、事前にアナログレコードのプレス費用を集めることができるため、アーティストにとっては、プレスから流通までの経済的なリスクを軽減することができます。
音楽業界の主流はストリーミングに移行しつつありますが、Bandcampのようにファンが音源やグッズを購入することでアーティストを直接支援できるサービスはコロナ禍をきっかけに注目が集まっています。
アーティストとしても、今後はファンとのより親密な交流を図るために、ストリーミングとともにこういったサービスを併用していくことも検討していくべきではないでしょうか?
【参考サイト】
https://thevinylfactory.com/news/bandcamp-friday-no-fee-days-to-continue-throughout-2021/
https://www.hypebot.com/hypebot/2021/05/bandcamp-adds-offline-listening.html
画像:https://flic.kr/p/S5Z7H8