2021.05.26

Spotifyがサイト「FAN STUDY」を公開。アーティストのプロモーション戦略を考えるヒントに

Spotifyが、アーティスト向けツール「Spotify For Artists」に関連した、ファンの動向調査から分析したニーズについてまとめたサイト「FAN STUDY」を公開しました。

FAN STUDYでは、楽曲のリーチ、ファンとの交流、次回作のプロモーション、アーティストグッズの販売などを促進したいアーティスト・マネジメント・レーベル向けに、ファンの動向調査に基づいた15のデータが提供されています。

15のデータは、リスナーの再生回数や傾向を始め、アーティストの母国以外の国での曲の広がり方、新曲や新人アーティストをよく聴く傾向がある地域、CD・アナログレコード・グッズの購入傾向、リスナーのプレイリストに入ることでアーティストが受ける影響などで、いずれもアーティストやレーベルがプロモーションを考える上で興味深いものになっています。

その中で興味深いデータのひとつは、アナログレコードの購入傾向です。

近年はストリーミングの普及により、CDの市場が縮小する一方、アナログレコードの市場は拡大傾向にあります。

アナログレコードに関しては、レジェンド級のロックバンドのリイシュー盤などがコアなコレクターや年配のファンに購入されているイメージがありますが、FAN STUDYのデータによると、最も購入されているのはストリーミングに慣れ親しんだ若者が支持する若いアーティストの作品でした。

また、南米の主要都市では、他の世界の都市よりも最新の音楽に興味を示すリスナーが多い傾向にあることも興味深いデータです。

その他にも、Spotifyでの再生数が多いアーティストであってもグッズ販売の収益が必ずしも高いとは限らないことや、最近のリスナーは特定のジャンルだけでなく、様々なジャンルの音楽を横断的に聴いていることなどもデータにより明らかになっています。

Spotifyでは昨年、アーティストやレーベル向けに楽曲をプロモーションできる代わりに、通常よりも低いプロモーション用のロイヤリティー・レートに変更するという機能も公開しています。

グッズ販売に関しても物販サービス・Merchbarとの提携により、現在ではSpotify上でアーティストの公式グッズが販売できるようになっています。

アーティストやレーベルはFAN STUDYの洞察を踏まえて上記のような機能を活用することで、より戦略的なプロモーションができそうです。

【参考サイト】
https://fanstudy.byspotify.com
https://artists.spotify.com/blog/introducing-fan-study
https://www.forbes.com/sites/bobbyowsinski/2021/05/23/spotifys-new-fan-study-is-fascinating/?sh=6703e67a7b87
https://newsroom.spotify.com/2020-11-02/amplifying-artist-input-in-your-personalized-recommendations/
https://artists.spotify.com/blog/how-to-sell-merch

画像:https://ccnull.de/foto/thousands-of-k-pop-songs-disappear-from-spotify/1050998