
クィアDJ・SHERELLEが黒人やマイノリティのアーティストのためのレーベル「BEAUTIFUL」設立
イギリスを拠点に活動する人気黒人クィアDJで、音楽レーベル「Hooversound Recordings」の共同設立者のSHERELLEが、黒人やLGBTQI+のアーティストのための新レーベル兼プラットフォーム「BEAUTIFUL」開設を発表しました。
SHERELLEはレーベル立ち上げの理由として、今も黒人などのマイノリティは、音楽業界でキャリアを築いていく上で、業界の不平等さに直面せざるをえないことを挙げています。
さらに黒人アーティストはコロナ禍による影響を白人アーティストよりも多く受けており、それがブッキングの減少や収入の減少につながっていると述べています。
そのような状況を改善するべくBEAUTIFULでは、今後、黒人やLGBTQI+のアーティスト作品をリリースする以外に音楽クリエイターを目指すマイノリティの若者のためのワークショップの開催、テクニカルリソースの提供を行うほか、最終的にはアーティストの活動場所となるライブスペース/クラブを所有することを目標に掲げています。
既存の黒人運営レーベルと並び立つようなレーベルにすることを目指しスタートする同レーベルからは、SHERELLEのお気に入りのアーティストを集めたコンピレーションアルバムが第1弾作品としてリリースされる予定です。
UK Music Diversity Surveyの調査によると、イギリスの音楽業界の全アーティストのうち、女性が占める割合はわずか16%に過ぎません。その結果を受けて、今月イギリスでは業界のジェンダー格差是正を目的にしたプログラム「Future1000」がスタートしています。
近年は音楽業界に限らず、様々な業界で課題となっているジェンダー格差是正や人種差別撤廃に向けた取り組みが行われていますが、SHERELLEもBEAUTIFULの活動を通じてマイノリティのアーティストに“音楽業界で公平なチャンスを得るために必要なツール”を提供していくと述べています。
音楽業界の中で数少ないチャンスをものにした成功者が率先して、ほかのマイノリティにバトンをつなぐための支援活動を行う。そういった取り組みによって、現状の課題を解決した健全な業界のエコシステムが生まれてくるのではないでしょうか。
【参考サイト】
https://ra.co/news/75384
画像:https://flic.kr/p/23QWXDk