2021.05.20

Discord、音声イベントの一覧を提供する「Stage Discovery」を導入

ボイスチャット・テキストチャットサービスのDiscordが、音声イベントの一覧を提供する「Stage Discovery」や有料チケットといった新機能を発表しました。

元々はゲーマー向けのチャットサービスとしてスタートするも、現在は様々なジャンルのユーザーが利用しているDiscordですが、特に18~24歳、いわゆるZ世代のユーザーからの認知度が高く、1億5000万人の月間アクティブユーザーのほとんどがこの世代によって占められています。

Discordは、コミュニティベースのプラットフォームであるため、これまでユーザーがライブイベントをチェックしたい場合は、まずサーバーに参加する必要がありました。ユーザーは「Discover」タブで、人気のあるサーバーや注目のパブリックサーバーを検索することもできましたが、比較的簡素なものに留まっていました。

Stage Discoveryは、3月下旬に開設されたClubhouse風の音声イベントルーム、「Stage Channels」に続く新機能。6月に、“注目に値するパートナー”とともに開始されることが示唆されています。

Rishab Jain氏による、「Stage Channels」の使い方を解説した動画

この機能によりサーバー管理者は、サーバー内で公開される音声ライブイベントをユーザーに向けてリストアップできるようになります。ユーザーは「ホーム」タブからイベントをチェック、参加することができるようになります。

DiscordのプロダクトマネージャーのRick Ling氏は、「Stage Channelは現在すでに高い人気を得ており、ここで開催されるイベントが新しいユーザーをコミュニティに呼び込む入り口になることを実感している」と述べています。Stage Discovery導入の狙いは、イベントを発見しやすくすることを通じて新しいユーザーをもたらし、それぞれのコミュニティをさらに活性化させることにあるようです。

またDiscordは、初のクリエイター向けの収益化機能として、有料チケット制の音声イベントをテストするパイロットプログラムも開始しています。

これまでDiscordを利用したマネタイズ方法として、クリエイターは、プライベートサーバーへのアクセス権を販売することで収益を得ていました。

しかし有料チケット販売機能では、Discordで上で直接収益を得ることができるため、ある程度の規模のファンベースを抱えるクリエイターにとっては、大きな恩恵となる可能性があります。

現在では、ゲームコミュニティ以外にも音楽系のコミュニティも増えてきていることから、音楽クリエイターにとっても自身の制作スキルを講習する形での勉強会や自分の作品について説明する、セルフライナーノーツの音声版のような使い方も考えられます。

このように音楽クリエイターがファンにとって価値のある内容の会話を提供することができれば、Discordでの音声イベントによるマネタイズも可能です。Stage Discoveryによって、ユーザーが自分が聴いてみたい内容の音声イベントを探し出せることも、音楽クリエイターの有料チケット販売にとっては大きな追い風になるはずです。

【参考サイト】
https://techcrunch.com/2021/05/13/discord-stage-discovery/
https://www.tubefilter.com/2021/05/18/discord-testing-monetization-tickets-audio-events/

画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Discord_booth_(43507601795).jpg