2021.05.19

音楽知識がなくても作曲・配信リリースまで可能なAI作曲プラットフォーム「Boomy」に注目

近年、音楽業界でもAIがプレイリストのキュレーションをはじめ、DJソフトや音楽制作用のプラグイン、オンラインマスタリング、自動作曲ツールなどで活用されるケースが増えてきました。

また、最近では、AIを活用した作曲ツールにとどまらず、AIが作曲した音楽のみをプレイするバーチャルDJ「JAI:N」やAIプロデューサーのSKYGGEがアルバムをリリースするなどAIがバーチャルアーティストとして活動するケースも見られます。

このようにAIの利用が音楽業界で広がる中、最も注目を集めているサービスのひとつが今月、正式にサービスをローンチしたオンラインAI作曲プラットフォーム「Boomy」です。

PC、スマホのブラウザベースで利用できるBoomyでは、2019年のベータ版開始以来、これまでに数十万人のユーザーによって、200万曲以上の楽曲が作曲されています。

音楽知識のない作曲初心者でも簡単に作曲ができることをウリにしたBoomyでは、ユーザーが任意のジャンルや具体的な音楽の特徴を選ぶことで、AIがその内容に沿ったインストゥルメンタル・トラックを生成します。

ここでポイントになるのが、Boomyは単なるAIが自動で音楽を生成してくれるツールではなく、あくまでクリエイターと共同で音楽を作りあげていくツールであるという点です。

Boomyでは生成されたトラックに自分のボーカルを加えるなど、ユーザーが好きなようにトラックを編集できるだけでなく、AIによって提案されたトラックが好みに合わなかった場合は、それを拒否して全く新しいトラックを生成することもできます。

そのため、Boomyでの作曲は、実際のスタジオ作業のように音楽制作のプロセスに則した形で進めていくことができます。

Boomyでの作曲の流れは下の動画で確認できますが、この動画ではBoomyで生成したトラックを別のアーティストがアレンジしていく様子も確認できます。このような使い方からもBoomyが単なる自動作曲ツールではないことが垣間見れます。

また、BoomyのAIは、ユーザーとのやりとりで生まれた新たな作曲プロセスを学習することで、自らの作曲アルゴリズムを発展させ、よりユーザーの好みにあわせてパーソナライズされた音楽を作曲できるようになります。

さらにBoomyでは作曲した音楽をユーザーがSpotify、Apple Music、TikTok、YouTubeなどの音楽プラットフォームに公開し、そこでの配信によるロイヤリティの80%を得ることができます。

同社の発表によると、Boomyで作曲された音楽はすでに数百万回ストリーミングされているとのことですが、これは毎月平均で約7万7000曲の新曲がBoomyで作られていることを意味します。また、この数字はストリーミングサービスでリリースされる新曲の総数の約4.3%(!)にあたります。

現在は、TikTokやYouTubeといった動画系SNSの普及により、音楽の聴かれ方や楽しみ方もこれまでより多様化しています。その一方で、そういったメディアで音楽が使用される機会が増えたことにより、著作権に対する意識が高まったことで、著作権侵害に対する措置も以前よりシビアになりました。

しかし、BoomyのようなAI作曲ツールを使うことで、クリエイターは動画で使う音源の著作権侵害やそれによるロイヤリティを得る機会の損失といった問題を回避することができます。

音楽ストリーミングサービスのプレイリストがAIによってパーソナライズした音楽を提供するように、音楽知識がない人でもBoomyのようにAIが好みの音楽の作曲を手助けすることで、聴く音楽そのものがパーソナライズされるようになるかもしれません。

なお、Boomyは正式ローンチにより、これまでのユーザーインターフェースが刷新されるなどアップデートも図られています。

興味を持った人はぜひ、一度Boomyで作曲してみてはいかがでしょうか?

Boomy
https://boomy.com/

【参考サイト】
http://digitalmedianet.com/boomy-launches-revolutionary-ai-music-technology-to-empower-a-new-generation-of-social-music-creators/
https://musically.com/2021/05/13/2m-songs-later-ai-music-startup-boomy-comes-out-of-beta/