
配信仲介サービスDistroKidがアップデート、ロイヤリティ分配の優先順位を選択可能に
音楽配信ディストリビューションサービスの「DistroKid」が、これまでの自動ロイヤリティ分配機能「Splits」をアップデート。「Splits 2.0」の提供を開始したことを発表しました。
近年、音楽制作の現場では、フィーチャリングゲストやソングライター、プロデューサーなど複数のコラボレーターを迎える形で制作する楽曲が増えています。そのような中でロイヤリティの分配方法は、アーティストやレーベルの課題になっています。
メジャーレーベルならいざ知らず、人手が限られるインディペンデントアーティストの場合は、そういった事務作業のために時間を割くことは決して小さな負担ではありません。
そこでDistroKidでは、先述のような現代の音楽制作スタイルにおけるロイヤリティの分配問題に対応するため、2017年より、「Splits」の提供を開始。これにより楽曲のコラボレーター間でのロイヤリティの自動分配が可能になりましたが、アップデート版である「Splits 2.0」では、楽曲配信によるロイヤリティの分配方法をさらに細かく設定することが可能になりました。
「Splits 2.0」に含まれる新機能「Recoupment」では、DistroKidを利用して楽曲を配信するアーティストが、どのコラボレーターに優先的にロイヤリティの分配を行うかを決めることができます。
例えば、あるアーティストがMVを制作したり、トラック提供を受けた場合、その費用と支払い先となるコラボレーターをあらかじめ設定しておくことで、楽曲配信によるロイヤリティ支払いが開始される前にその分の費用を優先的に支払うことが可能になります。
機能を利用するアーティストはいつでも楽曲に関わるコラボレーターを追加・削除できるほか、分配率を変更可能。また、ロイヤリティ分配のログは、DistroKidによって長期に渡り記録されます。
DistroKidのファウンダーであるPhilip Kaplan氏によると、以前よりアーティストから「MVやスタジオでの作業時間を確保するための資金提供者や、個々のトラックで何らかのサービスを提供してくれたコラボレーターに報酬を支払うことができるツールを追加してほしい」という要望が寄せられており、それを受けて今回のアップデートが実施されたとのことです。
これまでは費用の面で話が進まなかったコラボレーションも、今回の「Split」のアップデートによってコラボレーターへの支払いがより明確化できるようになったことで、実現しやすくなると考えられます。「Splits 2.0」の導入はその意味で、アーティスト間のコラボレーションの促進にもつながるはずです。
DistroKid
https://distrokid.com/
【参考サイト】
https://www.musictech.net/news/industry/distrokid-splits-2-0-recoupment-artist-royalties/