2021.04.01

JASRAC、2020年度通期の著作権使用料の分配実績を発表

日本音楽著作権協会(JASRAC)は3月15日、作家・音楽出版社等の権利者に著作物使用料を分配。2021年3月の分配額は、335億3,411万8,407円(前年度同期比101.7%)となった(※1)。

この結果、2020年度通期(2020年6月、9月、12月および2021年3月の4期合計)の分配額が確定し、1,206億3,482万1,520円(前年度比103.1%)となり、2019年度の過去最高額を更新した。この分配額は、主に2019年度下半期(2019年10月~2020年3月)と2020年度上半期(2020年4月~9月)の使用料収入が反映されたものとなっている(※2)。

※1:権利者への送金の際、上記分配額から管理手数料、所得税等を控除する。また、分配日程は新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、当初の予定から前倒しされている(既報:2020年5月20日「著作物使用料の分配日程の前倒しについて」)。

※2:使用料の入金から分配までに要する期間は科目によって異なる。

■利用分野別の主なトピックス(2020年度通期)

<インタラクティブ配信>
サブスクリプションサービスや動画配信サービスの市場が引き続き好調を維持していることなどから、前年度比で164.7%となった。

<演奏会等・大規模演奏会等>
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けコンサートやイベントの中止や延期が相次いだため、前年度比で65.9%となった。

<ビデオグラム>
著名アーティストのヒット製品が複数あったことなどから、前年度比で106.4%となった。

<外国入金録音>
米国の著作権管理事業者Muserk社との契約開始(既報:2020年4月30日付けプレスリリース)により、録音権使用料の入金が増加したことから、前年度比で114.6%となった。

2020年度通期の分配対象楽曲数は、277万8,889曲。分配対象の権利者数は、音楽出版社を通じた分配を含めると、著作者7万6,278人、音楽出版社2,888社となった。このほか、126の外国団体を通じて37万9,850人の著作者、5万258社の音楽出版社にも使用料が分配される。いずれの数も2019年度の実績を上回った。

■参考資料

2021年3月・2020年度通期分配実績表(PDF)
https://www.jasrac.or.jp/release/pdf/210325_1.pdf