2023.05.30

Netflixオリジナルシリーズ『ヤキトリ』で初のアニメ劇伴を手がけた Ken Ishii に訊く、いま「テクノらしい」音作りとは?

Netflixにて2023年5月より配信が開始された新作アニメ『ヤキトリ』。

同作は『幼女戦記』などで知られるカルロ・ゼンさんによるミリタリーSF小説を原作とした作品で、監督は安保英樹さん、脚本は堺三保さん、キャラクターデザインを山形厚史さんが担当。キャストには坂泰斗さん、瀬戸麻沙美さん、武内駿輔さん、河西健吾さん、鬼頭明里さん、津田健次郎さん、高木渉さん、稲田徹さんが名を連ねているほか、作中に登場する管制AI“初音ミミ”役で藤田咲さんが参加していることも話題になっています。

そんな『ヤキトリ』のサントラを手掛けたのは、以前、Soundmainでもインタビューを行った日本が世界に誇る“テクノ・ゴッド”こと、テクノプロデューサー/DJのKen Ishiiさん。

Ken Ishiiさんとアニメといえば、90年代に発表されたMV「Extra」が頭に浮かぶ人も多いと思いますが、Ken Ishiiさんがアニメのサントラを制作するのは今作が初とのこと。

今回はKen Ishiiさんに、『ヤキトリ』のサントラを手がけることになった経緯や、どんなことを考えながらサントラを制作したかなどのお話を伺いつつ、後半ではコロナ禍後の再開の兆しが見られるDJ活動や最近のDJシーン、さらには海外を見据えた音楽活動のために重要視すべきポイントなどについてお話を伺いました。

『ヤキトリ』オープニングクレジット映像

「テクノである」ことをこだわり抜いた『ヤキトリ』サントラ

今回、ご自身初となるアニメサントラを手がけることになった経緯を教えていただけますか?

ちょうど2019年の終わりぐらいにマネージャーに連絡が入りまして。僕は札幌出身なんですが、プロデューサーも監督も札幌の人というご縁もありつつ、この作品を制作するにあたって、監督からサントラを僕の音楽にしたいという希望が最初にあったそうなんです。それでまず一度お話をしてみましょう、ということになりました。

2020年になってZoom会議で顔合わせをした後は、スムーズに制作が進行した感じですね。

最初にサントラ制作の依頼があったときは、どう思いましたか?

すごく興奮しましたね。作品と脚本、それと絵コンテを最初に見せてもらったんですけど、ある意味尖っているというか。もちろん人間ドラマもありますが、そもそも作品自体がミリタリーSFものなので、やっぱり戦闘という部分にかなり特化した作品なんですよね。だから、キャラクターやメカだったり、作品の設定を見せてもらった最初の段階で「自分の音楽と合いそうだな」という予感はありました。

『ヤキトリ』には戦闘シーン以外にもさまざまなシーンがありますが、サントラを制作する上での全体的なテーマはあったのでしょうか?

先ほども言ったように、まず監督が僕の音楽を知ってくれていて、僕のテイストで制作してほしいという話があったので、それがある意味ではサントラ全体のテーマと言えました。なので安心して制作に入っていくことができましたね。

あとはその都度もらえる映像のアップデートなどからインスピレーションを得て制作していくスタイルでしたが、監督のこだわりに応じて制作する必要がある部分もあって。例えば、今作ではモーツァルトのクラシック音楽のカバーを2曲やりましたが、それは自分にとってもチャレンジというか、大きな課題でもありました。

『ヤキトリ』エンディング曲「Play That Little Night Music」(モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のカバー)

クラシックを電子音楽でカバーすることにはどんな面白さや難しさがありましたか?

ただ原曲のメロディーをなぞっただけだとそんなに面白くならないんですよね。単なるギミックみたいなものでもなく、自分の色もうまく入れた上で、しっかり「あの曲だ」とわかるようにしなければならない。その両立には苦労しました。

曲の展開・長さという意味で、普段の制作とサントラではどのような違いがありましたか?

最初の段階で基本的に1曲の長さを大体1分半〜2分ぐらいにしてほしいというオーダーがありました。僕が普段テクノを作るときは、DJのミックスしやすさだったり、お客さんの踊りやすさにフォーカスを当てて作っているので、ある程度の長さがあって展開がある曲に必ずなってしまうんです。そういう意味だと、今回はやっぱり用途が違うという感じはしましたね。1曲の中に要素を詰め込みすぎず、かつ短い曲の中でいかにインパクトを出すかというところも自分の中ではチャレンジでしたが、それは楽しいチャレンジでもありました。

短い曲の中でインパクトを作るために、具体的にどんなことを意識されたのでしょうか?

今回は僕をわざわざ起用してくれたので、求められている音はやっぱりテクノの音なんですよね。だから、サントラ用の曲で短いけれども、テクノ的な構成や音の重ね方はキープしつつ、クラブのような大きな音が鳴る場所で聴いてもどの音もしっかり聴こえるようにしっかりミキシングするなど、「テクノである」というところがちゃんと伝わるようにエンジニアリングの部分にもかなりこだわりました。

監督・音響監督とのやり取りで印象的だったことはありますか?

まず監督が元々テクノ好きで、僕の音楽のことを知ってくれていることもあって、お互い共通言語があったのですごく話しやすかったことはすごく印象に残っています。ある音について説明するとき、お互いが大体同じような音をイメージできることは非常に重要なことですが、「この人は音楽をよく知ってるな」と思う人でも、あるキーワードに対して同じような音を共有するのは意外と難しいんです。

でも、監督は元々僕の音楽を知ってくれていたこともあって、例えば、僕がいくつかもらったキーワードをもとに作った曲に対して「ここはテンポだけ落としてほしい」とか、「リズムだけ抜いてみたらどうなるか」など、指示が非常に的確でした。最初は「このシーンは寂しいシーンだから、音を寂しくして」とか、そういう感じの指示が来ると思っていたので、監督とテクニカルな部分を含めた話し合いができたことは大きかったですね。

単発のシーンで使う曲に関しては音響監督さんに途中から入ってきていただいて、そちらからのリクエストをもとに制作しています。「激しいシーンだから音楽も激しめにしてほしい」というオーダーに合わせて作っていく、通常のサントラ制作の流れですね。なので、今回はその2パターンで制作していったという感じです。

監督さんがKenさんの音楽を以前からご存知だったとのことですが、サントラ曲では具体的に「Ken Ishiiの「〇〇」のようにしてほしい」といったリクエストもありましたか?

今回のサントラのオープニングテーマ「Yakitori」に関しては、僕がイタリアのレーベルから3〜4年前にリリースした「Landslide」という曲があるんですけど、「この曲の音色が、作中の戦闘シーンや登場するメカなどのインダストリアルな感じにピッタリなんです」という話が監督からあって、そのテイストに加えて、今回のアニメの要素を入れていきながら曲が完成するという経緯がありましたね。

Ken Ishii – Yakitori (Full Length Mix)
Ken Ishii – Landslide

脚本や資料を読み込んでサントラ制作されたと思いますが、どういった部分に最もインスパイアされたのでしょうか?

一番は戦闘シーンですね。少しずつアップデート映像をいただいたのですが、それが直接的なインスピレーション源になりました。今作はメカによる戦闘シーンがすごく多いんですよ。だから例えば「これだけシャープなデザインでガンとメカ然としているのであれば、その音もフワっとした音じゃないだろうな」とか、映像を見ながらそういったキャラクターとどんな音色がリンクするのかをすごく考えながら制作していきました。

Kenさんとアニメといえば「Extra」のMVが有名ですが、曲が先にあってMVが作られた「EXTRA」と、関わり方は今回異なります。その両方を経験して、アニメーションという媒体のどういうところに音楽とのシナジーを感じましたか?

Ken Ishii – Extra (Official Music Video Remastered)

イマジネーションを膨らませる余白が大きいのは実写よりもアニメだと思うんです。既存のジャンルやスタイルなどを超えた、何か飛び抜けたものに接続しやすいというか。そういう意味ではアニメはそもそも音楽に近いものなのかもしれないと思っていて。

多分、普通の実写ドラマであれば、やっぱり悲しいシーンには悲しい音楽という風に、制作者の側も、視聴者の側もインプットされていると思うし、そこから外れることはしにくいけど、アニメの場合は、そこに描かれているものが実際に存在しないものだったりもするので、そこに当てる音楽も人の想像を超えたものをはめ込んでみてもいいんじゃないかという感じがありますね。今回もそのことはかなり意識していたし、エレクトロニックな音楽だけのサントラは珍しいよなとも思っていたので、そのこと自体が制作する上での興奮材料のひとつになっていました(笑)。

今回の制作で特に活用したソフトや機材などはありますか?

あまり新しいものを導入したわけではなく、ある意味いつも通りの制作環境でやりました。ただ、自分も元々長く使っていて、映画音楽関係のクリエイターも愛用しているプラグイン「Omnisphere」はサントラ制作に本当に役立つと実感しましたね。おそらく普段の曲よりも使用率は高かったと思います。

開発元のSpectrasonicsによるOmnisphereの解説動画

具体的にOmnisphereのどういった部分を気に入られているのでしょうか?

Omnisphereには、環境音楽的なものだったり、いわゆるハンス・ジマー的なシネマティック・サウンドの音源ももちろん入っているのですが、自分としてはいろいろと音色をエディットしたり、オートメーションをかけたり工夫しながら細工していけるところが気に入っています。そういう音色の加工は自分が音楽を作っていて一番楽しい部分でもあるし、こだわっている部分でもあるんです。

元々僕はテクノDJとして、メロディーではなく、音色の鳴りを考えることのほうが多いんですね。もちろんサントラにおいては、人の心を動かすようなメロディーも重要だと思うんですけど、音そのもので伝えていく部分もかなりあると思うんです。今回初めてKen Ishiiとしてサントラを作るにあたって、改めてそういったことを考えながら制作しました。

アフターコロナのDJ活動、テクノロジーによる楽曲の形の変化

コロナ禍が落ち着いた去年以降、すでに海外でのDJも再開されていますが、コロナ禍前と後で変わったと感じたことはありますか?

まず、去年の春に2年ぶりにヨーロッパに行って感じたのは、お客さんの若返りが起きていたということですね。それとテクノに限って言えば、曲のBPMが急に早くなったと感じます。やっぱりコロナ禍で遊びに行けなかった分、それが明けたら元気に遊びたいという気持ちがみんなの中に募っていたのかなと。欧米のクラブの現場では、皆口をそろえて「もうコロナ前に戻っている」と言っています。

日本はまだその戻りが欧米に比べて若干遅いのかなという感じがちょっと前までありましたが、ゴールデンウィーク中に開催された野外フェスでは若い人だけでなく上の世代のお客さんもたくさん見かけましたし、今は日本の現場もずいぶんコロナ前の感じが戻ってきているように思います。

2022年、スペイン・マドリードで行ったパフォーマンス

先ほど曲の長さの話もありましたが、最近ではストリーミングサービスでの再生を意識して、テクノのようなダンスミュージックでもだんだん曲の長さが短くなってきているように感じます。こういった楽曲の形の変化をどのように捉えていますか?

そのことに関してはまさに僕も考えていて、人と話したりもするんですけど、やっぱり音楽そのものの聴き方が変わってきたということはすごく関係があると思います。今は昔と違って、ほぼ無限の音楽にアクセスできる状態なので、みんなが曲をちょっとだけ聴いて、すぐ好きか嫌いか判断してしまう。それに応じるようにして、曲が短くなってきたというのもあるかもしれないなと。

もちろんテクノとかダンスミュージックの場合だと、少なくともクラブの現場では、ずっとサビだけが延々と繰り返されるだけだと踊れないので、ある程度は展開だったり、曲にメリハリが求められる部分はあります。ただ、それでも最近は、特にひとつのリフで押していく感じの曲だと、テクノであっても少しずつ曲の長さが短くなってきている印象はありますね。

また、もしかしたら今はオートで簡単に曲同士のBPMが合わせられるようになり、誰でも簡単にDJミックスができるようになったことも関係しているのかもしれません。レコードでDJをやるしかなかった頃は、まず曲同士のBPMを自分で合わせなければいけないし、ミキサーのEQをいじりながら、曲同士を違和感なく繋げるのも簡単じゃない。そのためにある程度長い時間をかけることも必要だったんですよ。

今はテクノロジーの進化によって、プレイのやり方自体が変化している部分もありますし、実際に出来上がったDJミックスに関しても、前の曲と次の曲が重なっている時間が以前と比べて短くなってきていると思いますね。

そういった曲の長さやDJプレイの変化を、Kenさんご自身はポジティブに捉えているのでしょうか?

僕個人としてはポジティブに捉えています。もちろん全部が全部というわけではないけれども、やっぱりある程度そういったシステムの変化に乗っかっていくのがダンスミュージックのアーティストだと思っている部分もあるんですよ。そこが他のアーティストとダンスミュージックのアーティストの違いというか、常に変わっていくお客さんにある程度は合わせていくという職人的な部分は、このジャンルのアーティストには必要だと考えています。DJも同じで、やっぱりロックスターのようにお客さんに「この曲を受け止めろ」という感じで音楽を聴かせるというよりも、「この曲はどうですか?」みたいに少し下手に出ながら音楽を提案するというか、ある種サービス業に近いところがあると思うんです。もちろんDJにも考え方はいろいろあるから、一概にそうとは言えないですけどね。

僕が90年代にデビューした頃は、アーティストがアーティストらしいまま活動できた最後の時期でもあったと思うんです。だから未だにアーティストの在り方にしろ、音楽の売り方にしろ、ちょっとまだ昔のスタイルに対する懐かしさはあるんです。なので、個人的にはDJをやるにしても、まだアーティスティックな部分も残しておきたいなと。そこは昔からやっているからこそ、完全には払拭できない部分なのかもしれませんね。

「Extra」を収録したアルバム『Jelly Tones』(1995年)

DJテクノロジーが進化したことで、レコードの時代であれば難しかったDJミックスが誰でも簡単にできるようになりました。そんなDJテクニックがフラットになった時代において、もし、Kenさんが他のDJのDJミックスを評価するとしたら、どういった点を評価の対象としますか?

例えば、ひとつのセットに大量に曲を詰め込んだとしても、曲同士を繋ぐポイントでは音がぶつかりすぎないようにするとか。すごい細かい話ですけど、そういったところにDJのセンスが現れると思うんですよね。

選曲のやり方にしてもそうです。今はトップDJのトラックリストがネット上に公開されているし、それと同じ曲を全部ダウンロードすれば当然、それっぽいDJセットは作れます。ただ、それだと個性が際立つことはないと思うので、「ここでこの曲をこうミックスするんだ!?」みたいな驚きというか、その人なりの選曲の妙は必要だと思います。例えば、新しい曲と昔の曲をミックスするにしても、音楽の歴史をちゃんと理解していないとセンス良く聴かせることはできないと思いますし、それができている人は聴いていてもわかった上でやっているんだなということがちゃんと伝わってきます。

テクノロジーが進化しても、DJミックスの内容やクオリティ自体の差は絶対に生まれると思っています。

そういった文脈を理解した上でのプレイは、やっぱりDJとして評価されるには大事になってくるんですね。

そう思います。ちなみに僕自身の話をすれば、単純に自分のスタイルに合うか合わないかで選曲している部分はあります。たまにアクセントとして、わざとみんなが知ってる曲を入れたりすることはもちろんあるんですけど、今は基本的に世の中に存在する曲の数自体が多すぎるし、テクノに関しては特に、他のDJと選曲が被ることもないと思います。

ある程度有名になってからは、あえてヒット曲を連発する必要もないし、それよりも自分のスタイルがあるからこそ、そこにお客さんがついてくるわけだから、いかにそのスタイルをキープしていくか、他のDJが持っていないものをお客さんに感じさせることができるかが大事になってくると思います。

近年は、日本の音楽クリエイターやDJの中にもKenさんのように海外で知名度を得る人も徐々に増えてきています。今後さらに世界を舞台に日本人クリエイターやDJが活躍していくためにはどういった要素が必要になってくると思いますか?

まずDJに関しては、良いプレイをするのは大前提として、いつでも良いプレイができるということが非常に重要です。この「いつでも」というのは「どんな場所やお客さんの前であっても関係なく良いプレイをする」ということですが、これが意外と難しい。それができるようになるには回数をこなしていく必要があるし、いつ声がかかっても結果を出せる状態にしておくことが大切です。

そして、その中で“飛び級”するためには、やっぱり自分で良い音楽を作る必要がありますね。その音楽がいろいろな人に聴かれる、あるいはトップDJのプレイリストに入る。さらにその回数が多ければ、数いるDJの中で頭ひとつ抜きん出ることができると思います。

加えて、作った曲をアピールして売り込んでいくためのハートやスキルも必要になると思いますね。特に世界で活躍することを考えると、案外社交性も重要です。競争相手の数が単純に考えても日本国内の何十倍、何百倍になりますから。もちろん、他に並ぶ人がいないくらい素晴らしい音楽を作れるのであれば話は別ですが、そうでないのであれば、コミュニケーション能力とかも含めて全てがきちんとできている必要があると思います。

やっぱり自分自身を売り込んでいく姿勢もDJとして成功するためには必要になるんですね。では、音楽制作の面ではいかがでしょうか?

ダンスミュージック全般に言えることとして、DJが使いやすいような曲を作れるかということがあります。ある程度フォーマットが決まっているという意味では簡単なのかもしれないのですが、逆に言えば世界中の全クリエイターがそのフォーマットの中で競い合っているので、たとえばキックの音ひとつであったり、違う周波数の音のぶつかり合いだったり、すごく細かいところでの差が明暗を分けるポイントになります。

そして、そういう細かいところを加味した上で、重要なのは大きい音で聴いてもしっかりとした鳴りになっているということ。家の小さいスピーカーで聴いているのとクラブで大きい音で聴くのでは全然違って聴こえますから。

では、音楽クリエイターにもエンジニア的な知識や耳の良さは必要になると?

そうですね、ある程度は。あともうひとつ重要なのは、DJが使いやすいものを作りつつも、他のクリエイターが持っていない要素をいかに表現できるかということですね。今はサンプルパックを使えば誰でも曲を簡単に作れるようになっていますが、そういう中でもその人しか持っていない音の作り方や曲の構成など、自分のトレードマークとして認識されるものがあるかどうか。

これまでのパイオニアと言われている人たちも、名前が売れ始めた頃の曲って荒削りなものが多いんです。でも、そういう人たちはその頃から、やっぱりみんな自分にしかないものを持っています。ただ単に「何をやらせても上手い」というよりは「これをやらせたら誰にも負けない」という気持ちを持つことが大事で、その気持ちは実際に曲にも表れてくると思います。

曲作りにおいて、ミキシングは初心者には難しい部分だと思います。特にこれからテクノを作りたい人に向けたアドバイスをいただけますか?

実を言うと、ミキシングに関しては自分の中でもそんなに答えが出ているわけではないんですよ。世界的に見ても技術自体が日々更新されている感じがしますし、現時点で自分が気に入っているやり方はもちろんあるんですけど、それが完璧だとも思っていなくて。

だから僕も、何気なく聴いていて良い曲だなと思ったら分析したり、それこそインターネットやYouTubeでTips動画を調べたりもしています。そういった動画を公開している人はアーティストとして必ずしも有名ではないんですけど、自分が知らない知識を持っていたり、見ていて気づきになる部分も多いんですよね。そういうところにも常にアンテナを張る必要があると思っています。

取材・文:Jun Fukunaga

Netflixオリジナルシリーズ「ヤキトリ」

『幼女戦記』のカルロ・ゼンが手がける、完全新作のミリタリーSFをアニメ化。
自らの人生を変えるため惑星軌道歩兵部隊「ヤキトリ」に志願した明の運命は!?

『幼女戦記』で鮮烈なデビューを飾ったカルロ・ゼンによる完全新作のミリタリーSFノベルのアニメ化が決定。『ブライト:サムライソウル』のアレクトがアニメーション制作を手がけ、監督に安保英樹、脚本を堺三保、キャラクターデザインを山形厚史が担当する。また音楽を手がけるのは、これが自身初のアニメ音楽作品となるケンイシイ。坂泰斗、瀬戸麻沙美、武内駿輔、河西健吾、鬼頭明里、津田健次郎、高木渉、稲田徹らといった豪華キャスト、また劇中で明たちをサポートする管制AI として、バーチャルシンガー『初音ミク』とのコラボレーションにより生まれた派生キャラクター“初音ミミ”が登場するなど、かつてないキャスティングにも注目だ。
巨大星間国家「商連」に支配・隷属されている未来の地球で暮らす、青年・伊保津 明。閉鎖的な社会と反りが合わず反抗的な日々を過ごしていたある日、商連の「調理師」パプキンにスカウトされ、惑星軌道歩兵部隊「ヤキトリ」に志願する。それは、作戦遂行時の死亡率が平均70%の過酷な部隊だった。様々な国から集まったはみ出し者たちとともに、明は自らの定められた運命に立ち向かっていく。

【スタッフ】
原作:カルロ・ゼン「ヤキトリ」(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
監督:安保英樹
脚本:堺三保
キャラクターデザイン:山形厚史
音楽:ケンイシイ
アニメーション制作:アレクト
企画・製作:Netflix

【キャスト】
伊保津 明:坂泰斗/楊 紫涵:瀬戸麻沙美/タイロン・バクスター:武内駿輔/エルランド・マルトネン:河西健吾/アマリヤ・シュルツ:鬼頭明里/ヴァーシャ・パプキン:津田健次郎/リメル武官:高木渉/ジョン・ドゥ:稲田徹/管制AI “初音ミミ”:初音ミク(藤田咲)

作品ページ:https://www.netflix.com/title/81186862

Yakitori: Soldiers of Misfortune (Soundtrack from the Netflix Series)

『幼女戦記』のカルロ・ゼンが手がける、完全新作のミリタリーSFをNetflixがアニメ化!『ブライト:サムライソウル』のアレクトがアニメーション制作を手がけ、監督に安保英樹、脚本を堺三保、キャラクターデザインを山形厚史が担当。そして音楽は、これが自身初のアニメ音楽作品となるケンイシイが担当。作品用に制作した劇伴曲をフルサイズ展開させ、ケンイシイの新譜と言っても過言ではないサウンドトラック・アルバムがリリース。

配信日:2023年5月18日予定
主要各ストリーミング・ダウンロードサイトにてリリース
スマートリンク:https://netflixmusic.ffm.to/yakitorisoldiersofmisfortune

トラックリスト:
1. Yakitori (Full Length Mix)
2. Under Pressure (Full Length Mix)
3. Onslaught (Full Length Mix)
4. Armored Combat
5. MOBS
6. Rage Fist(Mozart「Dies irae」のカバー)
7. Open Fire
8. Mayday Call (Full Length Mix)
9. Play That Little Night Music(Mozart「Eine kleine Nachtmusik」のカバー)