
ファンがアーティストにライブで聴きたい曲をリクエスト! コーチェラ2023におけるYouTubeショートでの盛り上げ施策を振り返る
今年4月14〜16日(日本時間4月15〜17日)、4月21〜23日(日本時間4月22〜24日)の2週に渡りアメリカで開催された音楽フェス「コーチェラ2023」。
日本においても、今年は例年の3ステージではなく、各週6ステージのライブ配信がYouTubeで実施されたことが大きな話題になりましたが、今年はそれ以外にもコーチェラとYouTubeのパートナーシップによるさまざまな取り組みが行われました。
そのうちのひとつがYouTubeショッピングという機能を使った限定グッズの販売です。コーチェラは昨年もこの機能を使ってライブコマースを行なっており、ライブ配信の視聴者はアーティストのライブを視聴中に表示されるリンクをクリックすることでバッドバニー、カルヴィン・ハリス、ゴリラズ、ポーター・ロビンソンなど出演アーティストのグッズを購入することができました。
またYouTubeプレミアム加入者には、ライブ前にバックステージで準備をするアーティストの姿を視聴できる「プレミアムプレパーティー」と呼ばれるコンテンツも提供されました。
そのほかにYouTubeは、今年のコーチェラとのタイアップでは積極的にショート動画機能の「YouTube ショート」を活用して、ファンがアーティストと交流する機会を創出。YouTubeショートを通じて、ファンがカルヴィン・ハリスやベッキー・G、バーナ・ボーイといったアーティストに対して、ライブで聴きたい曲のリクエストを出せるという試みが行われました。
このようなYouTubeの積極的なYouTube ショートのプロモーションは、競合サービスであり、近年世界で最も成長が速いSNSと言われるTikTokへの対抗策と見られますが、アーティストにとっても今回の事例は、ファンとの交流にショート動画を活用する新たなアイデアとなるはずです。
なお、今年1月にYouTubeは、コーチェラのプロモーターであるGoldenvoiceとの新たな複数年契約を発表しており、YouTubeによるコーチェラのライブ配信は2026年まで継続されることが決定しています。
今年のコーチェラが終わったばかりですが、来年はどのような盛り上げ施策が行われることになるのでしょうか? 今から気になるところです。
文:Jun Fukunaga
【参考サイト】
YouTube to expand livestreams, artist interactions and shopping at Coachella 2023 – Music Business Worldwide
https://www.musicbusinessworldwide.com/youtube-to-expand-livestreams-artist-interactions-and-shopping-at-coachella-2023/