
ドルビーアトモスなど、立体音響に対応する世界初のバーチャル・インストゥルメント「SkyDust 3D」に注目
現在、Apple MusicやAmazon Musicによる空間オーディオ音源の配信により、音楽リスナーの間でも通常のステレオ音源よりも没入感がある立体音響リスニング体験が以前よりも身近になってきました。
それに伴い、空間オーディオ制作のためのツールもいくつか世の中に登場していますが、最近プラグインメーカーのSound Particlesは、“世界初”を謳う立体音響対応のバーチャル・インストゥルメント「SkyDust 3D」を発表しました。
SkyDust 3Dは、空間エフェクトを取り入れた音楽制作が可能なプラグインで、「Spatial Sequencer」「Spatial Envelope Generators」「Spatial LFO」といった機能を搭載しています。
ユーザーはこれにより、MIDIアフタータッチを使って立体音響の位置をコントロールできるほか、エンベロープジェネレータを使って各音の動きをコントロールしたり、LFOを使って音の高さを変えたりすることができます。また立体音響音源対応のバーチャル・インストゥルメントならではの、空間を移動するアルペジオを作ることも可能です。
さらに使いやすいプリセットやFMシンセシスを追加して独自の音を作成できるフリーケンシー・モジュレーションのほか、ユニークな音作りのためのピッチエフェクトやフィルターといった機能が搭載されています。
またSkyDust 3Dは、ステレオや5.1ch、7.1chといったサラウンド、7.1.2ch(ドルビーアトモス)、9.1.6ch、アンビソニックス(6次まで)といった立体音響、バイノーラル(ヘッドホンでの3Dサウンド)といった30以上のオーディオ出力フォーマットをサポートしています。
SkyDust 3DについてSound Particlesの創設者兼CEOであるNuno Fonsecaは、「空間オーディオは、長い間ミキシングの領域でした。しかし、今、SkyDust 3Dは空間オーディオを作曲の領域にももたらします」と述べています。
現在、SkyDust 3Dは、イントロ価格の299ドルで販売されているほか、ステレオに特化した廉価版が149ドルで販売されています。空間オーディオミキシングだけでなく、制作段階から空間オーディオの特性を生かした音作りをしてみたい人は導入を検討してみてはいかがでしょうか?
なお、Soundmain Blogでは以前、立体音響がダンスミュージックにもたらす新たな可能性について“テクノ・ゴッド”ことKen Ishiiさんに話をお伺いしました。立体音響に興味を持っている人はぜひ、こちらもあわせてご一読ください。
Sound Particles「SkyDust 3D」
https://soundparticles.com/products/skydust/overview
文:Jun Fukunaga