2023.03.27

作曲からライブ、ライトショーまで多目的に使えるコンパクトな薄型パッドコントローラー「Matrix」に注目

最近では、MIDIキーボードの代わりにパッドコントローラーを使い、メロディーやベースラインを打ち込んでいくという制作手法が徐々に広がっています。

Soundmain Blogでも以前、業界関係者による“パッドコントローラーが今後、21世紀の楽器として認知されていく”との見解をご紹介しましたが、この傾向は今回ご紹介する新たなパッドコントローラー「Matrix」の登場により、さらに広がっていくことになるのかもしれません。

205mm×205mm、厚さ13.2mm、重さ800gというコンパクトなサイズのMatrixは、新興音楽機材メーカーの203 Electronicsが開発した薄型MIDIパッドコントローラー。64個のRGBバックライト付きパッドのほか、本体中央には小さな機能コントロールボタン、側面にはデュアルタッチストリップが搭載されています。外部機器との接続はUSB-C、Bluetooth、WiFi、2.4GHzワイヤレスに対応します。

Matrixには「ノート&スケール」「パフォーマンス」「ビジュアル」の3つの主要な動作モードがあります。

ノート&スケール・モードでは、音楽理論の知識がなくてもドリアンやブルース、ビバップマイナー、平調子など32種類の音楽モードを選択することで、好きなキーで素早く単音やコードを演奏することが可能です。

パフォーマンス・モードでは、単音の演奏やサンプルのトリガーなど、接続したDAWや楽器をコントロールできます。

ビジュアル・モードは、互換性のある「Ableton Live」、「Unipad(Launchpadをベースにしたアプリ)」、「Amethyst Player」(203Electronicsの独自の初心者向けのブラウザ・アプリ)のグリッドを使ったライトショー・パフォーマンスを作成するのに適しています。

またMatrixには、64個のパッドを自分の好きな機能に手動でマッピング可能なオープンソース化された独自のOSも付属します。

なお、Matrixシリーズには32個のRGBアンダーグローLEDを追加することで操作時の視認性を向上させたMatrix Proと標準モデルのMatrixの2種類がラインナップされています。

2023年1月末から2月末まで行われていたKickstarterでのクラウドファンディング期間中は、特別価格で提供されていましたが、今後、楽器店などでは標準モデルが119ドル、Matrix Proが179ドルで販売されるとのことです。

持ち運びにも便利なサイズ感、かつ多目的に使えるパッドコントローラーを探している人はMatrixの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

203 Electronics「Matrix」
https://203.io/

文:Jun Fukunaga

【参考サイト】

Kickstarter launched for compact MIDI controller, Matrix | DJMag.com
https://djmag.com/tech/kickstarter-launched-compact-midi-controller-matrix

https://musictech.com/news/203-matrix-pro-grid-controller-launchpad/
https://musictech.com/news/203-matrix-pro-grid-controller-launchpad/