
Seratoより最新DJ向けDAW「Serato Studio 2.0」登場。ステムをボタンひとつで分離させる音源分離機能も搭載
定番DJソフト「Serato DJ」シリーズを開発・販売するSeratoが最新DAW「Serato Studio 2.0」をリリースしました。
Serato DJシリーズを通じて、DJからの信頼を得てきたSeratoは、2019年にDAW市場に初参入。“ビートメイキング・ソフト”をコンセプトにしたDJ向けDAW「Serato Studio」を発表しました。
DJによる音楽制作に特化したSerato Studioは、他のDAWと異なり、DJ感覚で操作できるシンプルなワークフローが特徴。Serato Sample機能やマスターキーによる曲のキーの自動更新、BPMを極端に調整可能なPitch ‘n Timeストレッチ、すべてのサウンドをメロディにマッチさせるプレイ・イン・キー・モード、音楽理論を知らなくてもスムーズにコードを作ることができるオート・コード・モードなどが搭載されています。
また付属するドラムキットやインストゥルメント、ループ、サンプルを使ってすぐに制作を開始できるほか、内蔵されている高品位のエフェクトやサードパーティのプラグインも使用できます。
さらにクレート、CUEポイント、BPM、KEYなどSerato DJライブラリの情報との互換性が高いことも、長年DJソフトを手がけてきたSeratoならではのこだわりが見て取れる部分でした。
最新版となるSerato Studio 2.0では、従来の主要機能を踏襲しつつ、新たにSerato DJシリーズの最新版「Serato DJ Lite 3.0」と「DJ Pro 3.0」でも採用されている「Serato Stems」を搭載。
Serato Stemsは、Serato独自のアルゴリズムによる音源分離機能。既存の音源からボーカル、インストゥルメント、ベース、ドラムのステムをボタンひとつで分離させることができます。この機能により、Serato Studio ユーザーは、これまで以上に手軽にユニークなサウンドが作成できるようになりました。
Serato Stemsについて、グラミー賞受賞プロデューサー/DJのCookin Soulは「Serato StemsはMPC以来、サンプリングにおける最大の瞬間だ」と述べています。またビートメーカーのBoston Cherryも「既存の曲からアカペラを抜き出せるという事実は、あらゆるDJとプロデューサーにとって非常に大きな離れ業になる」と評価しています。
さらにKendrick Lamarのアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』制作により、今年のグラミー賞(第65回グラミー賞)にもノミネートされているDJ Khalilは、「このアップデートでSerato Studioは僕の世界の中心になった。これは音楽制作にとって大きな出来事だ」と述べるなど、海外の一流プロデューサー/DJ/ビートメイカーらも支持を表明しています。
またSerato Studio 2.0ユーザーには、新機能として、SNS向け動画を作成できるオーディオビジュアルコンテンツツール「Serato Visualiser(ベータ版)」やSerato Studioフルバージョンの1ヶ月無料パスを友人にプレゼントできる「Guest Pass」も提供されます。
Serato Studio 2.0は、Mac/Win両対応。しかもMac版は最新mac OS「macOS 13 Ventura」もサポートしています。現在は月額9.99ドルのサブスクリプションプランを契約するか、249ドルで購入することでフル機能版が使用できるようになります。
またSeratoは、Serato Studio 2.0リリースに伴い、これまでのSerato Studioの14日間無料トライアルをリセット。これにより既に14日間のトライアルを使い切っていた場合でも再度試用できるようになりました。無料トライアル終了後は機能を使用できるオーディオトラックがひとつのみに制限されるなど、機能を限定した無料版として使用することもできます。
現在、DJをやっていてこれから音楽制作にも取り組みたいという人は、この機会にSerato Studio 2.0の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
文:Jun Fukunaga
Serato「Serato Studio 2.0」
https://serato.com/studio