
TuneCore、これまでにアーティストに支払ってきたロイヤリティが30億ドルに達したことを発表
音楽ディストリビューションサービスのTuneCoreが、2006年の創業以来、同社がアーティストに支払ってきたロイヤリティが30億ドルに達したことを発表しました。
TuneCoreは昨年4月に発表していた前回の25億ドルというロイヤリティ支払い額から今回5億ドル増加したことを受け、同社のロイヤリティの支払い額が「重要な新しいマイルストーンに到達した」と述べています。
TuneCoreの発表によると、30億ドルのロイヤリティは、キャリアのあるアーティストから新人音楽クリエイター、趣味で音楽をやっている人までのTuneCoreの全音楽クリエイターが得る収益を累積した額とのこと。またこの額は、すべてのデジタルサービスプロバイダー(DSP)との直接契約によるもので、これが「市場における真の差別化要因になっている」と主張しています。
今回の発表では、その他にもこれまでに8000人以上のアーティストが、TuneCoreを通じて1万ドル以上を稼いでおり、その中の数千人は5万ドル〜10万ドル、さらには100万ドル以上を稼いでいるアーティストも“たくさん”いることが報告されています。
またTuneCoreの音楽出版部門が2011年にTuneCore Music Publishing Administrationを立ち上げて以来、アーティストに約9000万ドルを支払ってきたことや、これまでに400人以上のTuneCoreアーティストを同社の親会社でディストリビューター/レーベルサービスのBelieveのプレミアムサービス「LAS(Label and Artist Solutions)」と「AS(Artist Services)」の提供対象に引き上げたことなども明らかにしています。
TuneCoreは今後、同社のアーティスト向けサービス「Social Platforms」(Spotifyなど音楽配信プラットフォームでの配信の前段階としてSNS向けに音楽を配信できるサービス)とYouTube Content IDプログラムを通じてアーティストにさらなる収入源を提供するとのこと。
今回発表された結果について、TuneCoreのCEOのAndreea Gleesonは、以下のように述べています。
「我々は、ビギナーからトップアーティストまで、すべての音楽クリエイターに革新的なテクノロジーベースのサービスを手頃な価格で提供できることを誇りに思います。エド・シーラン、リゾ、チャンス・ザ・ラッパーは皆、TuneCoreでキャリアをスタートさせただけでなく、実際に次の彼らは、今まさに我々のロースターから排出される可能性が非常に高くなっています」
なお、調査会社のMidiaは、2021年にインディペンデント・レーベルとアーティスト・ダイレクト(セルフ・リリースのアーティスト)部門は合わせて99億ドルを生み出したと推定しており、そのうちの12億ドル〜15億ドルはアーティスト・ダイレクトによるものだと試算しています。またセルフリリースアーティストの市場シェアに関しても2020年の5.1%から2021年には5.3%に増加していると推定されています。
文:Jun Fukunaga
【参考サイト】
3 Billion – TuneCore
https://www.tunecore.com/3-billion
TuneCore has paid out $3bn to self-releasing artists to date – Music Business Worldwide
https://www.musicbusinessworldwide.com/tunecore-has-paid-out-3bn-to-self-releasing-artists-to-date/