
Spotifyがショート音声プラットフォームのLogcastと提携。楽曲だけでなく短い音声コンテンツも収益化可能に
最近では、TikTokやYouTube Shortsなどショート動画プラットフォームを長編動画コンテンツのハイライトとして活用するケースが増えてきました。しかし、そのような傾向は現在、動画コンテンツに限らず、音声コンテンツの分野にも広がりを見せつつあります。
その中で注目を集めているのが、「Logcast」というスウェーデンのスタートアップ企業です。Logcastでは、アーティストやクリエイターがSNS用に音声メッセージや会話をショート音声コンテンツとして作成し投稿するだけでなく、収益化もできるツールを提供していますが、同社は今年11月末にSpotifyとの提携を発表しました。
この提携によって、アーティストはSpotifyで音楽を配信するだけでなく、Logcastアプリで録音した特別な発表や音楽キャリアの舞台裏にまつわるエピソードといったショート音声コンテンツをリスナーに向けて配信できるようになります。
配信されたLogcastのショート音声コンテンツは、他の楽曲やポッドキャストのエピソードと同様にSpotify内で検索・発見することが可能です。
またSpotifyにショート音声コンテンツを配信する場合、アーティストは無料で配信するか、有料で配信するかの選択オプションも用意されています。ショート音声コンテンツの収益は、Logcastがプラットフォーム使用分として売上の20%と手数料を受け取り、残った売上をLogcastを使うアーティストやクリエイターが受け取る形で分配されます。
Spotifyとの提携について、Logcastの共同設立者であるJohanna Hoofは「私たちは、親密な瞬間、つまりお気に入りのアーティストの生活の中で台本に書かれていなかったり、編集されていなかったりする、何もフィルターを通さない生の瞬間にアクセスしたいというファンからの大きな要望を目の当たりにしてきました」「Logcastは、ポッドキャストのように高度に制作されたものではなく、音楽の背後にあるリアルで自然な瞬間や会話を体験する機会をファンに提供するものです」「音楽アーティストがSpotifyで収益化するための新しいコンテンツフォーマットを可能にすることで、アーティストがファンベースを最大限に活用できるようにすることが私たちの目的です」と述べています。
今後は楽曲やアルバムだけでなく、ファンが求める音楽活動の舞台裏などを音声コンテンツとして公開することもアーティストの活動を支える新たな収益源にしていくことができそうです。
なお、LogcastとSpotifyの連携機能は、2023年1月にスウェーデンでまず開始され、2023年中に世界のユーザーに対しても提供される予定とのこと。日本でのサービス開始を楽しみに待ちましょう!
文:Jun Fukunaga
【参考サイト】
Logcast partners with Spotify to give artists a new way to earn money on talk content | by Logcast | Nov, 2022 | Medium
https://logcast.medium.com/logcast-partners-with-spotify-to-give-artists-a-new-way-to-earn-money-on-talk-content-2f50fd76eac1