
2022年はどんなアーティストや楽曲が人気に? SpotifyとApple Musicの年間まとめをチェック
今年も残すところあとわずかになりました。そんな年の瀬のお楽しみといえば、音楽プラットフォームが1年間の人気曲やアルバム、アーティストなどをランキング形式でまとめた「年間まとめ」の公開ではないでしょうか?
今回はSpotifyとApple Musicがそれぞれ公開している2022年の年間まとめをチェックしつつ、今年の音楽シーンの動向を振り返ってみたいと思います。
Spotify
Spotifyでは、音楽やポッドキャストなどの今年のリスニングデータから2022年を振り返る各種ランキングを発表しています。公開されているのはグローバルに焦点をあてた「世界で最も再生されたアーティスト」「世界で最も再生された楽曲」「世界で最も再生されたアルバム」といったランキングや国内に焦点を当てた「国内で最も再生されたアーティスト」「国内で最も再生された楽曲」「国内で最も再生されたアルバム」など。
最も再生されたアーティスト
世界で最も再生されたアーティストはプエルトリコ出身のレゲトンアーティスト・バッドバニーとなり、今回の3年連続となる世界で最も聴かれたアーティストの座を獲得。2022年は年間で183億回を超える再生回数を記録しています。その後に2位テイラー・スウィフト、3位ドレイク、4位ザ・ウィークエンド、5位BTSとなり、上位5組をグローバルでも高い人気を誇るアーティストが占める結果となりました。
一方、国内で最も聴かれたアーティストはBTSとなりました。また9位にTWICEがランクインしたことで昨年に続きトップ10にK-POPアーティストが2組ランクインしています。そのほかに今回は、Vaundy(6位)とSaucy Dog(10位)がそれぞれ初となるトップ10入りを果たすなど、新世代アーティストの躍進も目立つ結果となりました。
最も再生されたアーティスト楽曲
世界で最も聴かれた楽曲は今年人気音楽フェス・コーチェラでのヘッドライナーを務めたことや国内では人気YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」への出演も話題になったハリー・スタイルズの「As It Was」が獲得。同曲は再生回数が15億回を突破するなど、Spotifyでも非常に高い人気を誇る楽曲となっています。
また国内で最も聴かれた楽曲は、昨年末頃からTikTokで人気に火がついたTani Yuuki「W/X/Y」となり、2位には Saucy Dog「シンデレラボーイ」がランクインしました。また3位に「ベテルギウス」がランクインした優里は、「ドライフラワー」(5位)、「シャッター」(10位)を含む3曲がいずれもロングヒットとなり、今年のこの部門のトップ10において、大きな存在感を示しています。
最も再生されたアルバム
世界で最も再生されたアルバム部門では、同じく世界で最も再生されたアーティストに輝いたバッドバニーのアルバム『Un Verano Sin Ti 』が1位を獲得。また先述の「As It Was」で世界で最も聴かれた楽曲で1位を獲得したハリー・スタイルズのアルバム『Harry’s House』が2位を獲得したほか、今年のグラミー賞でも注目を集めた人気若手アーティストのOlivia Rodrigoのデビューアルバム『SOUR』が3位を獲得しています。
国内で最も聴かれたアルバムは、他の国内ランキングでも上位にランクインしている優里の『壱』が1位を獲得。続く2位はAdo『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』となりました。また4位のYOASOBI『THE BOOK 2』、5位のAdo『狂言』、10位のマカロニえんぴつ『ハッピーエンドへの期待は』の3作品は、アルバム収録曲の合間にアーティストが作品について語るトーク音声を収録したSpotifyだけで楽しめるオリジナルコンテンツ「Liner Voice+」も公開されています。
Apple Music
Apple Musicでは、2022年のトップソング、Shazamのトップソング、フィットネスのトップソング、最も歌詞が読まれた楽曲にスポットライトを当てた年間ランキングが公開されています。
またSpotifyにもリスナー個人がSpotifyで年間を通してどれだけ音楽を聴いたかなどを知ることができる年間まとめ機能がありますが、Apple Musicは今年、同様の機能である「リプレイ(Apple Music Replay)」をデータに重点を置く形で一新。Apple Musicのユーザーは、今年自分が最も多く聴いた楽曲、アルバム、アーティスト、ジャンル、プレイリストなどやそれぞれのカテゴリーのトップ10をチェックすることができます。
最も再生された楽曲
今年Apple Musicで最も再生された楽曲はザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーによるコラボ曲「Stay」となりました。同曲は2021年にリリースされましたが、今年Apple Musicのデイリーチャートでは51日連続1位となるなど、ロングヒットしました。
また2位はSpotifyの今年世界で最も再生された楽曲1位を獲得したハリー・スタイルズの「As It Was」、3位にFutureの「WAIT FOR U feat.Drake & Tems」、4位にKodak Blackの「Super Gremlin」と人気ラッパーの楽曲が続き、5位には昨年大ヒットしたAdeleの「Easy On Me」がランキングしています。ちなみにその他のランキング曲を確認すると同ランキングは2022年にリリースされた曲に限らず、2022年に聴かれた曲をもとに構成されていることがわかります。
またトップ100には優里の「ベテルギウス」やTani Yuukiの「W/X/Y」などSpotifyの国内ランキングでも上位を獲得した曲を始め、J-POPも6曲ランクインしています。
そのほかのチャート
最も読まれたリリックでは、ディズニーの「ミラベルと魔法だらけの家」のサウンドトラック収録曲「秘密のブルーノ」が1位を獲得しているほか、Saucy Dogの「シンデレラボーイ」が6位、8位に優里の「ベテルギウス」、9位にマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」、Tani Yuukiの「W/X/Y」が10位とJ-POPが上位10曲中4曲を占めるという興味深い結果になっています。
また最も再生されたフィットネスソングは、イギリス拠点のDJ/プロデューサーのジョエル・コリーの「Head & Heart (feat. MNEK)」、最もShazamされた楽曲はエルトン・ジョンとデュア・リパのコラボ曲をリミックスした「Cold Heart (PNAU Remix)」になっています。
各種ストリーミングサービスの年間まとめで今年の人気アーティストやヒット曲の傾向を改めて年末年始の休暇期間にチェックしつつ、来年のトレンドになりそうな音楽要素を予測してみてはいかがでしょうか?
文:Jun Fukunaga