
スマホのスクリーンを触りながら音声を合成。グラニュラーシンセアプリ「Fluss」に注目
モバイル向けプラグインメーカーのBram Bosとベルリンを拠点とするドイツの実験音楽家のHainbachがコラボレーションし、新たにiOS向けのグラニュラーシンセアプリ「Fluss」を発表しました。
実験音楽家のIannis Xenakisにインスパイアされて制作されたFlussは、3ボイス・グラニュラーエンジンとタッチベースのモジュレーションが特徴的な「シンプルなサウンドから美しいサウンドを生み出す」グラニュラーシンセ兼エフェクトプロセッサーアプリ。
搭載されているグラニュラーシンセシスはサンプルベースのため、ユーザーはプリセットのサンプルのほか、自分のサンプルコレクションをアップロードして、音声合成による音作りが可能です。
またFlussのインターフェースに搭載されているキネティックスライダーは、モバイル向け音楽アプリならではのタッチスクリーンに特化した設計になっています。これによりユーザーは、iPhoneやiPadのスクリーンを指で優しくタッチしたり、XYマトリックス上にある丸いボールをフリックして投げ飛ばしたり、跳ねさせたりすることで、Flussで合成されるサウンドを変化を与えていくことができます。
その他にも他のホストとなるアプリやDAWと連動させることで、Flussを生楽器など外部入力された音をリアルタイムで加工するライブ処理オーディオエフェクトとして使用することも可能です。
読み込んだサンプルなどオーディオソースを一度グレイン(粒子)に分解して再構成するグラニュラーシンセのプラグインやアプリは多数存在しますが、モバイルデバイスに特化した操作性により、他ではできない音声合成が行えることはFlussの大きな魅力です。
なお、Flussはスタンドアロンのアプリとして使えるほか、AUv3プラグインとしても使用可能。13.99ドルとお手頃価格なので、これから自身の制作環境にグラニュラーシンセを導入してみたい人は試しに導入を検討してみてはいかがでしょうか?
Fluss
https://ruismaker.com/fluss/
文:Jun Fukunaga