2022.11.23

超アナログな音質で好きな音楽をレコード化! teenage engineeringの小型カッティングマシン「PO-80 record factory」が魅力的

今年6月に人気のスピーカー内蔵24鍵ポータブルシンセ「OP-1」のリニューアル版となる「OP-1 field」をリリースし、話題を呼んだteenage engineering。

同社はこれまでにOP-1のほか、小型ガジェットシンセ「Pocket Operator」シリーズやBluetooth対応の“魔法のスピーカー/ラジオ”「OB-4」などデザイン性が高くユニークなプロダクトを多数発表してきましたが、新プロダクトとして発表したのが、なんと自分だけのレコードを作れる小型カッティングマシン「PO-80 record factory」です。

「Pocket Operator」シリーズにラインナップされるPO-80 record factoryは、持ち運びに便利なコンパクトサイズのレコードカッティングマシン。自分で5インチレコードに録音した音をすぐに再生することができます。

レコードを作るための操作は、3.5mm入力で音声を録音し、レコードをカットするだけというシンプルなもの。同じ「Pocket Operator」シリーズのガジェットシンセで作曲した曲もPO-80に接続すれば、すぐにレコードに録音することができます。またカットしたレコードを再生できるだけでなく、手持ちの7インチレコードを再生することも可能です。

PO-80 record factoryは、スピーカー内蔵のため、外部スピーカーを利用することなく自分のオリジナルレコード鑑賞を楽しめます。またより良い音質でレコード鑑賞を楽しみたい場合は、本体の3.5mmオーディオ出力から外部スピーカーに接続できるため、手持ちのスピーカーも使用可能です。

Teenage Engineeringによると、“ローファイオーディオのあたたかみのある音を体験できる超アナログな音質”もPO-80 record factoryの特徴のひとつとのこと。同社のウェブサイトでは、実際にレコードを作成した際の“超アナログな音質”をチェックできるサンプル音源も公開されています。

またTeenage Engineeringは、PO-80 record factoryで再生できるレコードの音声を最適化するオンラインマスタリングツールも提供しています。同ツールは、プラグイン開発者のKlevgrandと共同で作成された“カスタム5インチカットでローファイな音質を実現”するために設計されたもの。これによってユーザーは好みのEQカーブをマスタリング時に適用して、オリジナルレコードを作成可能です。

ちなみにPO-80 record factoryは、今年Rolandが創業50周年を迎えたことを記念し、公開したブラウザベース・シンセサイト「Roland 50 Studio」を手掛けたことでも知られる、イギリス在住のサウンドデザイナー・スズキユウリ氏とのコラボプロダクトとして誕生しています。

PO-80 record factoryはガジェット感が強い見た目ながら、レコードならではのあたたかみのあるローファイさを感じる音作りのためのツールも用意されるなど、そのプロダクトデザインには“超アナログな音質”をユーザーが手に入れるためのこだわりが見て取れます。そういった遊び心あるプロダクトデザインや発想が、OP-1やPocket Operatorといったユニークな音楽制作プロダクトを生み出す原動力になっています。

この記事を執筆している時点では、PO-80 record factoryは残念ながら完売状態(再販求む!)。しかし、先述のサンプル音源の試聴やオンラインマスタリングツールの使用は可能です。自分の曲をヴィンテージ感のあるアナログでローファイなサウンドに仕上げたい人は、そのリファレンスとしてそちらをチェックしてみてはいかがでしょうか?

PO-80 record factory
https://teenage.engineering/products/po-80

文:Jun Fukunaga

【参考記事】

The Record Factory cuts your own 5” vinyl at home | DJMag.com
https://djmag.com/tech/record-factory-cuts-your-own-5-vinyl-home