2022.10.31

JASRAC、ブロックチェーン技術を活用した楽曲情報管理システム 「KENDRIX」の正式サービスを開始

日本音楽著作権協会(JASRAC)は2022年10月31日、ブロックチェーン技術を活用した存在証明機能とeKYC機能(オンラインでの身元確認機能)を備える楽曲情報管理システム「KENDRIX」の正式サービスを開始しました。

KENDRIXとは

「すべての音楽クリエイターが Creation Ecosystem に参画できる世界へ」というコンセプトのもと、音楽クリエイターが安心して楽曲を発表でき、適正な対価還元を受けるための各種手続きのハードルを下げることを目的としたクリエイターDXプラットフォーム。プロアマ問わず、誰でも無料で利用が可能です。

アカウント登録はこちらから:
https://kendrix.jp/

KENDRIXの機能

音源ファイル等をKENDRIXに登録すると、以下の情報がブロックチェーンに登録されます(制作途中の音源でも登録が可能です)。

  • 音源ファイルのハッシュ値
  • タイムスタンプ
  • ユーザー情報、タイトルとバージョンの情報(一つの楽曲情報に対し、複数の音源ファイルを登録して、バージョン管理することが可能)

これにより、ある音源ファイルを誰がいつの時点で所有していたのか、という事実を客観的に証明することができる。そして、ブロックチェーンに登録された情報を表示する「存在証明ページ」を公開することができます。

動画配信プラットフォームやSNSで楽曲を公開する際に、存在証明ページの公開用URLを添えることで、存在証明を取得している音楽クリエイターであることが第三者に伝わり、不正利用の抑止力となることが期待されます。

さらに、eKYCを実装することで、本人認証済みのKENDRIXユーザーが存在証明付きの楽曲情報を、KENDRIXと連携する様々なサービスに展開できるようになっています。
最初に連携するサービスはJASRACのサービス(オンライン信託契約・作品届提出*)となりますが、将来的にはJASRAC以外のサービスにも楽曲情報を提供していくとのことです。
*オンライン作品届提出機能は2023年2月に追加予定。

また、KENDRIXの正式サービス開始にあわせて、JASRACと音楽著作権の管理委託契約の申し込み時に必要となる利用実績基準を緩和するとともに、契約手続きまでに要する期間を短縮化。詳しくは以下のページを参照してください。
https://www.jasrac.or.jp/release/22/10_4.html

KENDRIXのブロックチェーン環境

KENDRIXでは、ソニーグループ株式会社R&Dセンター(以下:ソニーグループ)が開発する権利管理ブロックチェーンシステムを採用。
上記の権利管理ブロックチェーンを活用することで、個人クリエイターや音楽関連企業・団体などのステークホルダーが、プライバシーを保ちながらも透明性をもって収益分配できるしくみ作りの基盤となることを目指しています。
また現在JASRACでは、ソニーグループから技術的な協力を得る形で、この構想実現に向けたコンソーシアムの立ち上げを準備中。準備が整い次第、コンソーシアムへの参加を広く募るとのことです。

関連情報

YouTube「KENDRIX」チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCHeWi_DMH0BaLDcHUXnhWBg
KENDRIXの利用が想定される音楽制作の現場を紹介するコンテンツや、KENDRIXで改善したい権利やお金に関する課題のポイントなどを分かりやすく解説するコンテンツを随時公開していく。

KENDRIX Media
https://kendrixmedia.jp/
KENDRIXがターゲットとするユーザー向けに、KENDRIX関連情報のみならず、音楽クリエイターのインタビューや音楽活動で役立つ情報などを幅広く発信している。