2022.09.26

スマートフォンに針を落とすとアナログレコードのように音楽が流れる!? ヤマハデザイン研究所のプロトタイプ製品「TurnT」

近年のアナログレコードブームをきっかけに、ビギナー向けの簡易なものからハイエンド・オーディオファン向けのものまで、様々なターンテーブルがリリースされています。

そんな中、今年7月にヤマハデザイン研究所が「スマートフォンをレコードプレーヤーに変える」プロトタイプ製品「TurnT」を発表しました。

TurnTは、ヤマハデザイン研究所が“スマートフォンアプリと共生する、新しい音楽デバイス”を提案するプロジェクト「Stepping Out of the Slate」の一環として開発したポータブルスピーカー兼ターンテーブル。

ポータブルスピーカーとスマートフォンの画面の上に置く針で構成されており、本体上に置いたスマートフォンの画面をレコードの盤面に見立て、針を落とすと音楽が再生されます。またアナログレコードのようにアルバムを入れ替えたり、針を落とす位置を変えたりすることで楽曲を変更することも可能です。

Stepping Out of the Slateでは、ほかにもオルゴールのように音楽が聴ける「Winder」、炎を見つめるように音楽に耳を傾けるためのキャンドル「MusicLight」、演奏をリズムでサポートする、メトロノームの進化形デバイス「RhythmBot」といったプロダクトもTurnTと同時に発表されています。

ヤマハデザイン研究所は、Stepping Out of the Slateについて、以下のように述べています。

近年、IT技術の進化によって実現された新しい音楽体験や音楽アクセサリーが、さまざまなスマートフォンアプリという形で提供されるようになりました。これらのサービスはその利便性から広く受け入れられ、従来の機器に取って代わりつつありますが、タッチパネル操作では満たされない、より実質的で身体的なインタラクションへの憧れがまだあるのではないでしょうか。

ヤマハのデザイナーは楽器やオーディオ機器のデザインを通じて、実質的・身体的なインタラクションが、喜びや美しさや発見や自信といった体験的な価値を生み出すことを熟知し、現代でも最適なインタラクションを求める潜在的な欲求があると感じています。

またTurnTを含む現時点でのStepping Out of the Slateプロダクトは全てプロトタイプですが、そのまま実際の使用感を検証できるものになっているとのこと。

今後、検証によってプロダクトが洗練されていけば、よりフィジカルな音楽体験を楽しめることになりそうです。そうなれば、今とはまた違った音楽の聴き方も提案されるようになるかもしれません。

文:Jun Fukunaga

【参考サイト】

Stepping Out of the Slate – Yamaha Design – ヤマハ株式会社
https://www.yamaha.com/ja/about/design/events_topics/stepping_out_of_the_slate/