2022.09.15

VRで演奏学習! コンサートホールでの演奏体験も可能なVRピアノ学習アプリ「PianoVision」

従来の対面での授業以外にもオンライン・レッスンを始め、楽器を学ぶ方法が複数ある昨今。現在、エンターテインメント領域で注目を集めるメタバースも、その選択肢のひとつになるかもしれません。

PianoVisionは、MetaのVRデバイス「Meta Quest」および「Meta Quest2」で使用できるピアノ学習アプリ。同アプリでは、パススルーAR機能(VRヘッドセットのカメラで、現実の周囲の景色を見られる機能)とハンドトラッキングによって、現実の景色にピアノの譜面を表示させながらピアノ演奏を学ぶことができます。

ユーザー投稿による体験動画

「(ユーザーの)ピアノ学習を“加速”させる」と謳うPianoVisionには、ピアノ演奏の学習のための複数のコースが用意されているほか、視唱(楽譜を見て音程やリズム等を正しく音階名で歌えるようになるための学習)を学ぶための「Sheet Music Insight」や、特定の曲を演奏するためにどの指を使用するかを示すインジケーターが搭載されています。また、デスクトップアプリを使うことで、カスタム曲をアップロードすることもできます。

PianoVisionでのピアノ学習では、机など平面上にバーチャルのピアノを表示できる内蔵のAir Pianoを使って行いますが、MIDIキーボードを持っている場合は、そちらと組み合わせて使うこともできます。

またユーザーは、コンサート会場で演奏しているような体験ができるVRミュージックホールも使用できますが、こういった空間のバリエーションは今後も追加されていく予定があるとのことです。

VRの音楽アプリは、これまでにもモジュラーシンセやDJ用のバーチャルデッキなどがリリースされていますが、バーチャル空間でそのまま使うことを想定ものはまだ少ない印象です。「PianoVision」のような空間の概念とセットになったアプリは、VR音楽アプリの新たな可能性を拓くものになるのではないでしょうか?

例えば、コロナ禍ではYAMAHAの「Syncroom」など、遠く離れた場所にいる相手とでもオンラインでリモートセッションができるツールの需要が高まりましたが、今後アバターを通じてユーザー同士が交流できるVR空間で利用可能な音楽アプリが増えていけば、それを発展させるような形で、オンライン上でよりリアルに近いリモートセッションが可能になるかもしれません。

なお、PianoVisionは現在まだ開発段階とのことですが、入手自体は現時点でもMetaQuest App Labから無料で可能です。(アプリ内課金あり)

Oculus Questの「PianoVision」 | Oculus
https://www.oculus.com/experiences/quest/5271074762922599/

Meta QuestおよびMeta Quest 2をお持ちの方は、1度PianoVisionでVRでの楽器演奏を体験してみてはいかがでしょうか?

文:Jun Fukunaga

【参考サイト】

Learn piano in the metaverse with the PianoVision augmented reality app | MusicRadar
https://www.musicradar.com/news/pianovision-ar-learning-app