
スマホでビートメイキングしたい音楽クリエイター必見! 音源分離機能も搭載する「Koala Sampler」とは?
昨年、Rolandのサンプラー「SP-404」の最新モデルとなる「SP-404MKII」がリリースされ、ビートメイカーの間で大きな話題になりました。
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SP-404の前身モデル「SP-303」(Roland傘下のBOSSブランドとして発売)は、J DillaやMadlibといった伝説的ビートメイカーに愛用され、SP-404もまたFlying LotusなどLAビートシーンのアーティストに愛用されるなど、特に2000年代のビートシーンの発展に大きな影響を与えました。
そして、2010年代後半に入ってからは、YouTubeを起点に生まれたローファイ・ヒップホップブームのシーンでもSP-404は高く支持される機材のひとつとなり、現在も多くのビートメーカーに愛用されています。
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そんなビートメイカーにとっての必須アイテムと言えるSP-303やSP-404の操作性を踏襲したモバイル向けサンプラーアプリがここ数年にわたり、ビートメイカーの間で人気になっていることをご存知でしょうか?
Elf AudioがiOSとAndroid向けに提供する「Koala Sampler」は、SP-303やSP-404にインスパイアされたビートメイキングアプリ。サンプリング、シーケンス、トラックの演奏ができ、ユーザーは最大64種類のサンプルを録音したり、mp3、WAVのほか、その他多くのフォーマットのサウンドをインポートすることができます。
またキーボードモードでは、半音階の9つの鍵盤でサンプルを演奏できるほか、人間的なグルーヴをトラックに与えることができるスイング機能も搭載されています。
さらにiOSでは、アプリで作成したトラックやループをDAWのAbleton Live用ファイルとして書き出したり、WAVファイルとして書き出すこともできます。
ちなみにKoala Samplerのインスパイア元のSP-303やSP-404は、筐体のパネルを自分好みに変えるカスタムスキンの文化がありますが、Koala Samplerでもその文化は踏襲されています。
このように本格的なビート系音楽の制作が可能なKoala Samplerですが、実は最近、新たに新機能として音源を分離し、それを使って即座にトラックを作れる機能が追加されました。
「Split Stems」と名付けられたこの機能は、AI技術を利用してトラックの異なる構成要素を識別し、それぞれのステムとして、最適な状態で音源分離させるもの。
Split Stemsを選択すると、短時間でステムが抽出され、ベース、ドラム、ボーカル、その他といった形で分離されたステムがサンプラーのインターフェイスに表示されます。
これらのステムは、ピッチダウン、チョップアップ、パンニングに加え、ファズやオクターブアップなど、8種類の内蔵マイクエフェクトのうちの1つからエフェクトをかけることも可能。また、ダブ・ディレイ、ディストーション、コンプレッサー、スタッターなど、16種類のミックス・エフェクトも搭載しています。
アプリは各Appストアから購入可能です(iOS版は610円、Androidは560円)。
iOS:https://apps.apple.com/jp/app/koala-sampler/id1449584007
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.elf.koalasampler
文:Jun Fukunaga
【参考サイト】
Koala Sampler app separates stems in one tap | MusicTech
https://musictech.com/news/gear/koala-sampler-app-separates-stems-in-one-tap/