2022.07.07

撮影した動画から音楽が作れる! Teenage EngineeringとGoogleによる音楽アプリ「Pocket Operator for Pixel」

ガジェットシンセ「Pocket Operator」シリーズなどで知られる音楽機材メーカーTeenage Engineeringが、Googleの技術を活用した音楽アプリ「Pocket Operator for Pixel」を発表しました。

Pocket Operator for Pixelは、最近Googleが行った自社スマートフォン「Pixel」シリーズの定期アップデートの一環として追加されたもの。Pixel 5以降のPixel端末で利用でき、Google Playストアから無料で入手できます。

フィールドレコーディングに焦点を当てたこのアプリでは、端末のカメラを利用して動画を撮影し、その動画をGoogleの機械学習技術「TensorFlow」を用いて分析することでサンプルを抽出します。

抽出されたサンプルはアプリ上の4×4のグリッド状のボタンに配置され、ユーザーはそれを使って音を重ねたり、ビートやパターンを作成、視覚効果を加えるなどして音楽を作成することができます。

また、最大4トラック16パターンまで作成でき、アプリで制作した楽曲は書き出しも可能。ドラムとメロディーの2つのモードで行える打ち込みは、リアルタイム入力とステップ入力に対応します。

Pocket Operator for Pixelの元になった「Pocket Operator」シリーズは、従来よりも気軽、かつ、リーズナブルにハード機材で音楽制作ができるガジェットシンセを代表する機材として知られており、ドラムマシンやベースシンセのほか、リードシンセやサンプラーなどさまざまなサンプル・ループ素材がラインナップされています。

近年は、DAWやハードシンセ以外に音楽アプリを使って音楽を作る音楽クリエイターも増えています。またモバイル音楽アプリ自体の数も増えており、AKAIやRoland、Korg、Moogなど有名機材メーカーによる純正のサンプラーやシンセアプリも少なくありません。

また最近ではAIを使った楽曲制作支援ツールも増えてきていますが、今後もPocket Operator for Pixelのような形で機械学習技術が活用されることで、音楽クリエイターの創造力を刺激するユニークなツールが続々と生まれてくることにも期待したいところです。

もし対応する機種のスマートフォンをお持ちの場合は、試しに1度Pocket Operator for Pixelを使ってみてはいかがでしょうか? 何気なく撮影した動画から思わぬ音楽が生まれるかもしれません。

Pocket Operator for Pixelのダウンロードはこちら:
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.teenageengineering.pocketoperatorforpixel

文:Jun Fukunaga

【参考サイト】

Teenage Engineering releases free Pocket Operator for Pixel: sample-based audio/video groovebox comes to Google phones | MusicRadar
https://www.musicradar.com/news/teenage-engineering-pocket-operator-google-pixel