
Spliceがアフロビーツサンプルパック「Beyond Afrobeats」をリリース、ポップスシーンでもトレンドのアフリカ音楽テイストに注目
近年、ナイジェリア出身のBurna Boyを筆頭にダンスホール・レゲエやヒップホップ、R&Bとハイライフ(Highlife)などアフリカのポップスやアフロビートが融合したアフロビーツ系アーティストがメインストリームのポップスシーンで躍進しています。
また、Soundmain Blogでも以前取り上げたアマピアノが昨年は世界的に見ても爆発的に売れたジャンルとなり、音楽プラットフォームのBeatportでは、独立したジャンルとして取り扱うだけでなく、アマピアノ専門チャートが公開されるなど、メインストリームに限らず、アンダーグラウンドでもアフリカの音楽の存在感が増しています。
そんな中、サンプルプラットフォームのSpliceが、アフリカ発のストリーミングサービス「Boomplay」と提携。Boomplayが選んだアーティストがキュレーションしたサウンドコレクション「Beyond Afrobeats」を発表しました。
Beyond Afrobeatsは、Mystro Sugar、LeriQ、Dunnieといったアフリカのアーティストやプロデューサーを起用し、制作されたアフロビーツ制作向けのサンプルパック。現在はSpliceユーザーであれば、自由に利用することができます。
アフリカ音楽のテイストはクリエイターとしても注目すべきトレンドと言えます。たとえば、Beyoncéが南アフリカ発祥のダンスミュージック・ジャンル「ゴム(Gqom)」を取り入れているほか、イギリスではアマピアノにインスパイアされた「ファンキーアマ(Funkyama)」なども誕生しています。
また、人気ハウスアーティストのDisclosureがアフリカ音楽に接近した楽曲を発表しているほか、今年のグラミー賞では南アフリカ出身のディープハウス系プロデューサーのBlack Coffeが『ベスト・ダンス / エレクトロニック・アルバム賞』を獲得しました。
Spliceによる音楽プラットフォームとの取り組みは、昨年SoundCloudとの提携で実施したコンテスト「Nova」に続くもの。同コンテストの受賞者はサンプルパック「Nova Artist Packs」に収録されるという形でSpliceで自分のオリジナルサンプルパックを提供できるようになったほか、SoundCloudから自身の音源の配信、マネタイズ、マーケティングなどのサービスを受けられるといった特典が用意されていたことも記憶に新しいところです。
Spliceにとって、Novaに続く音楽プラットフォームとの共同プロジェクトとなるBeyond Afrobeats。ウェブサイトには、「Stay tuned for our Beat Battle dropping」という文言があり、新たなコンテストの開催が予告されています。
注目のアフリカ音楽に目配せしておきたいクリエイターの皆さんは、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?
「Beyond Afrobeats」特設サイト
https://beyond.splice.com/afrobeats
文:Jun Fukunaga
【参考サイト】
Splice is working with African streaming service Boomplay – Music Ally
https://musically.com/2022/04/26/splice-is-working-with-african-streaming-service-boomplay/