
ウェブブラウザで音楽制作! 手持ちの音源からステム作成できる「音源分離」も――Soundmain Studioレビュー
Soundmainはソニーミュージックによる、【サウンドパック(音源素材)】【ウェブブラウザで動くDAW】【ブロックチェーンを用いた著作権処理の仕組み】を一括して提供することを目指し開発中のプラットフォームです。このうち【ウェブブラウザで動くDAW】が先日ついに「Soundmain Studio」としてローンチしました。現在も改良を重ねている最中ですが、「ウェブブラウザでDAWの基本的な機能が使える」「ソニーの目玉技術である“音源分離”が使える」というコアの部分については体験いただけるようになりました。
今回、ご自身のブログ記事の中でSoundmain Studioを取り上げてくださったトラックメイカーのPIANO FLAVAさんに、実際にSoundmain Studioを使ってみていただきました。以下はそのクリエイター目線でのレビューとなります。
※以下の画面写真は記事公開時(2022年3月)のものです。
Soundmain Studioについて
ウェブブラウザで利用できる音楽制作ツールです(今回は、自分が普段使っているGoogle Chromeで利用しました)。
手持ちのサンプルやSoundmain Storeの音源素材を使った楽曲制作およびミキシングが可能。
付属のストレージ機能からSoundmain Storeのサウンドパック(音源素材)を直接購入することができるなど、プラットフォーム内の他サービスとシームレスに連携しているのも特徴です。
機能面では、ウェブブラウザ上で(ソフトのインストール無しで)EQやリバーブが使えるのは特に画期的だと思います。
また、レコーディング機能も搭載しているので、音楽制作だけでなくポッドキャストの収録などにも便利そうです。

Soundmain Studioでの曲作り
実際に、Soundmain Studioで曲を作ってみましょう。
まず右下のストレージから、ストア画面を表示させ、音源素材を試聴してみます。

今回はシネマティックな曲を作りたいと思ったので、サウンドパック「Dark Hero Cinema」の音源素材を使いました。
「10P」と書かれているところ(ワンショット/ループなど、音源単位でのポイント価格)をクリックすると、入会時/月額利用料支払い時に付与されるポイントを利用して素材を購入することができます。

販売しているサウンドパック全体から、楽器やテンポ、ジャンルなどで音源素材を絞り込めるので便利です。
もちろん手持ちのサンプルを使うこともできますよ!
取り込んだ素材はドラッグ&ドロップでどんどん貼り付けていきましょう。素材の複製は、素材を右クリック→Copyで行います。

アレンジが完成したら曲の仕上げです。
まずはリバーブを使って、音に残響音や反射音を加えてみましょう。

またシンセベースなど、低域を担当する楽器について、EQでローを持ち上げるのも非常に効果的です。

曲が完成したら、左上のミックスダウンボタンを押して、曲の書き出し(ダウンロード)を行いましょう。

音源分離について
個人的にイチオシの機能です!
お好みの楽曲を「ボーカル、ドラム、ベース、その他」または「ボーカル、その他」に分離してくれます。
使い方は簡単で、まず右下のストレージから楽曲をアップロードします。そして、アップロードした楽曲を選択し、音源分離ボタンを押します。

すると、次のような画面になるので、どちらか一方を選択し、音源分離を実行します。

しばらく待てば、音源分離の完了です!

ファイルを個別にダウンロードすることはもちろん、これらを使ってSoundmain Studioで楽曲を作ることも可能です。
分離させたボーカルを使って私的利用の範囲でリミックスしたり、自分が作った楽曲でステムデータをなくしてしまった曲でも、セルフリミックスが楽しめますね。
もちろん分離させたドラムを手持ちのDAWで読み込んで、リズムトラックとして使用するのも面白そうです。
また、作曲の勉強として耳コピをするクリエイターさんも多いと思うのですが、楽曲を音源分離させることで、ドラムパートやベースパートを個別に聞くことができるようになり、耳コピがしやすくなりますね。
【この機能を使ったより詳しい音楽制作への応用は、以下の記事もご覧ください!】
まとめ
出先などで急にパラデータの確認が必要なときや、宅録機材が無い状態でボーカルレコーディングをする必要があるときなどに、Soundmain Studioは有用だと思います。
また音源分離も非常に強力な機能で、他のステム作成ソフトと比べても精度が高いと感じました。
是非この機会に、Soundmain Studioに触れてみてくださいね。
文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)