
Bandcampが『Fortnite』で知られるEpic Gamesにより買収。運営方針は「今後も変わらず」
音楽販売・配信プラットフォームのBandcampが、人気ゲーム『Fortnite』で知られるゲームおよびソフトウェア開発企業のEpic Gamesに買収されたことがわかりました。
2008年にスタートしたBandcampは、コロナ禍で経済的な打撃を受けたアーティストやレーベルに対して、いち早くサポート企画「Bandcamp Friday」を行うなど、アーティストからの支持も高いプラットフォーム。
一方、Epic Gamesもコロナ禍以降、先述の『Fortnite』上でTravis Scott、Ariana Grande、J Balvin、Dominic Fike、日本の米津玄師などが出演するバーチャルライブを行うほか、Radioheadのアルバム『Kid A Mnesia』をモチーフにしたデジタル展覧会ゲーム『KID A MNESIA EXHIBITION』をリリースするなど、近年は音楽業界との結びつきを強めています。
Bandcampの共同創設者兼CEOのEthan Diamondは、今後もアーティストファーストの収益モデル(アーティストが売上の平均82%を得る)を中心に今後もBandcampを同じ方針で運営するとしています。
また、「アルバムページ、モバイルアプリ、商品ツール、支払いシステム、検索・発見機能といった基本的なサービスはもちろんのこと、レコードプレスやライブストリーミングサービスといった新しいサービスに関しても、Epic Gamesと協力しながら、サービス全体のグローバル展開と開発の推進に取り組んでいく」と述べています。
Epic Gamesも「クリエイターエコノミーの未来には、フェアでオープンなプラットフォームが不可欠である」「Bandcampは、コンテンツ、テクノロジー、ゲーム、アート、音楽などのためのクリエイターマーケットプレイスのエコシステムを構築するというEpicのビジョンにおいて、重要な役割を果たすだろう」と述べています。
“アーティストファースト”を掲げるBandcampは、これまでにアーティストやレーベルに対して10億ドル近い金額を支払っていると公言しています。また、Bandcamp Fridayでは、2020年3月以来、のべ17回開催された今年1月の時点でファンはアーティストやレーベルに総額で7000万ドル以上を支払っていることも明らかにしています。
今後もBandcampの運営方針が変わらないと明言されたことは、同プラットフォームを利用するアーティストにとってひとまず朗報と言えるでしょう。近い将来リリースされるであろう、Epic Gamesと協力して提供される“アーティストファースト”な新サービスにも期待したいところです。
文:Soundmain編集部
【参考サイト】
Bandcamp is Joining Epic Games – Bandcamp Updates
https://blog.bandcamp.com/2022/03/02/bandcamp-is-joining-epic/
Bandcamp Joining Epic Games to Support Fair, Open Platforms for Artists and Fans – Epic Games
https://www.epicgames.com/site/en-US/news/bandcamp-joining-epic-games-to-support-fair-open-platforms-for-artists-and-fans