2022.03.04

ラップアーティストのキッド・カディが共同設立。インタラクティブなARミュージックアプリ「Encore」公開

人気ラップアーティストのキッド・カディが関わったAR音楽アプリ「Encore」が公開されました。

このアプリは、大勢の人が集まるリアルな場所への移動の煩わしさなしにライブショーを楽しむための方法を探しているCOVID-19時代のアーティストとファンの双方にとって役立つ可能性があります。

アーティストは、ステージや会場を必要とすることなく、モバイルデバイスから拡張現実(AR)でのライブパフォーマンスを作成することができます。

またファンは、10セントの「クラップ(拍手)」というマイクロトランザクション(課金アイテム)を介してバーチャルライブを見たり、アーティストと直接チャットしたり、交流したりすることができます。なお「クラップ」の収益はEncore社とアーティストの間で分配され、80%がアーティストに支払われます。

ロサンゼルスに本社を置くEncore社を共同設立したのは、Kid Cudi(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)に加え、ハリウッドのプロデューサー/映画監督のIan Edelman(代表取締役)、テクノロジー企業家のJonathan Gray(CEO)の3人。アーティスト、クリエイター、テクノロジー関連の起業家からなるチームで、全員が「音楽業界の民主化」を目指しているといいます。

キッド・カディは次のように語ります。

私が最も大切にしているのは、人々にインスピレーションを与え、正しく意味ある方法で彼ら彼女ら自身のストーリーを語る場を提供することです。

また、CEOのJonathan Gray氏は次のように語ります。

音楽アーティストは、独創的なクリエイターにも関わらず、クリエイターエコノミーからは忘れ去られ、ソーシャルメディアのミームやアルゴリズムに蹂躙されています。

私たちのライブAR技術は、あらゆるアーティストが、制作予算やクルーなしで、パーソナライズされたコンテンツを作成し、ファンのための体験をホストし、100人の熱心なファンの支えによって収益を上げることを可能にします。

ライブ配信でファンが投げ銭出来る仕組み自体は、YouTubeのスーパーチャットをはじめ目新しいものとは言えないかもしれません。しかし音楽アーティストとそのコアファンに特化した設計になっている点や、本格的なスタジオ環境がなくてもスマートフォンだけでARライブパフォーマンスができる点には独自性があります。

ARでのライブ実施は「Encore Studio」アプリから、ライブの閲覧やミュージシャンのサポートは「Encore: Interactive Live Music」アプリからそれぞれ可能です。

文:Soundmain編集部

【参考サイト】

Encore Studio App Co-Founded By Kid Cudi Debuts To Public – VIBE.com
https://www.vibe.com/news/tech/kid-cudi-encore-app-public-launch-1234648489/

Kid Cudi co-founded AR music app Encore launches with $9m in funding – Music Business Worldwide
https://www.musicbusinessworldwide.com/kid-cudi-co-founded-ar-music-app-encore-launches-with-9m-in-funding/