2022.02.09

サウンドパック「FUTURE CHILL BEAT」クリエイター・T-AKインタビュー

Soundmain Storeにて提供開始したサウンドパックを制作するクリエイターへのインタビューシリーズがスタート! 今回ご登場いただくのは「FUTURE CHILL BEAT」を制作したT-AKさんです。

▼「FUTURE CHILL BEAT」試聴・購入は以下のリンクから

▼T-AK ソーシャルアカウント

Instagram: https://www.instagram.com/takashi__okazaki/
Twitter: https://twitter.com/dj_t_ak

今回のサウンドパックのテーマは?

Chillサウンドの中に、しっかり芯のあるビート。そして未来感あるシンセサウンドや、ポップなコード感を幅広いトラックスタイルとBPMでご用意しました。海外のアンダーグラウンドなシーンやオーバーグラウンドなシーンでも使える、都会的な個性あるサウンドをイメージしています。シンプルだけど、存在感とアレンジに深みのある曲が作れるパックにしました。

制作の際、こだわったポイントは?

豊富なトラックスタイルと、1つ1つのクオリティが高いサウンドバリエーションを揃えられるようにしたことです。この1つのサンプルパックだけでEPを作れてしまう、想像力を掻き立てられるパックを意識して作っていますね。寿司で言う、鮮度の高いネタのバリエーションを最初に用意して握って、美味い寿司コースを楽しんでもらう……といった感じです(笑)。

元の素材のクオリティが良くないと、後からどんなにミキシングや加工を頑張ってもマジックは起きないですよね。いかにハイクオリティな単音を用意して、ここからユーザーさんがいろいろな加工をできるかの余地を残そうと思ったんです。元音が良ければ、それぞれ自分なりのカラーに変えてもサウンド自体の劣化はしにくいと思うので。

T-AKさんの制作環境

今回のサウンドパックの使いどころ、ユースケースは?

同じシンセコードでも複数の音色をレイヤーして作っているので、それぞれのフレーズを使って簡単にアレンジを作ることができます。ピアノやストリングスに、微妙なピッチの揺らぎやノイズを足してローファイ感を再現したサウンドもあり、ちょっとしたアクセントとして便利なフレーズが多数あります。

また、1つのジャンルの中に、BPM別にサウンドアイデアを用意し、スタイルが偏らないように作っています。参考トラックも数曲用意しているので、サンプルの使い方やアレンジのアイデアにもなると思いますよ。

サウンドパックカルチャーの魅力は?

魅力は何といっても、キーとBPMさえ指定すれば知識や経験がない初心者でも、ノリで簡単に曲が作りやすくなったこと。そして従来のクリエイターも今までの自分の固定概念や想像を越える新しい音楽を簡単に作れてしまうことですね。

曲の新しいアイデアとかって、本来と違うジャンルから生まれたりすると思うので。そんな想定外のきっかけを与えてくれる面白さがあります。

サウンドパックを作ることの面白さは?

元々、ロンドンのHospital Recordでドラムンベースのアーティスト/DJ活動をしていたのですが、帰国していろいろとダンスミュージックを作る中、この多様性をどうしたら活かせるか何年も悩んでいたんです。そうしたらこのサンプルパックカルチャーに辿りつき、色んなジャンルを制限なく得意なスタイルで作れる楽しさと喜びを知りました。

そして、そのサウンドを複数のクリエイターを介してリスナーに届けられるという、作品の連鎖にも魅力を感じます!

今、音楽関連で興味のあるトピックは?

Sol State」という世界中の有名なダンスミュージックプロデューサーの切り抜きチュートリアル動画シリーズがあるのですが、これの日本版がほしいところですね。どうしても国内のチュートリアルはダンスミュージック専門が少ない印象なので。

今後、このサンプルカルチャーがどこまで一般的に浸透するかにも興味があります。今までは音楽クリエイター用のツールだったのが、例えば一般の人がTikTokに動画を上げるために使うといったことになれば、もっと面白いことになりそうです。

クリエイターとしての今後は?

サンプルクリエイターとしての肩書きで、たくさんの国内外のシンガーや、アーティストをプロデュースしていきたいです。そうすればオリジナル曲と同時にサンプルパックも広がるので。今までのような、地道にSpotifyなどでアーティスト活動をするといった形ではなく、完全にサンプルクリエイターサイドから攻めて行きたいなと。

Spliceで一番人気のOLIVERというサンプルパッククリエイターがいるのですが(そのパックはDua LipaやDoja Catのヒット曲で使われています)、僕はSoundmainのOLIVER的存在になりたい。日本ではまだ新しいマーケットだと思うので、その第一人者として活躍したいと思っています。それが今後、国内プロデューサーの新しいチャンスにもなると思いますしね。

サウンドパックを作ってみたい人へのアドバイス

自分が好きなアーティストがどんなサンプルパックを使っているのか、もしくは人気のサンプルパックをリサーチして、どんな有名アーティストが使っているのか、多く使われる理由を知ることから始めると良いですね。使いやすさだったり、サウンドクオリティだったり。

そしてそのプロデューサーのチュートリアルなどを見て、自分で再現してみる。例えばドラム単発のクオリティを再現できれば、仕上げるゴールが見えるので迷いが減ります。分析と構築の繰り返しですね。