2022.02.07

BBCが選ぶ2022年期待の新人アーティスト首位・PinkPantheressに学ぶTikTok活用術

イギリス・BBCが毎年発表しているその年に活躍が期待される新人アーティストのリスト「Sound Of」の2022年度版となる「Sound Of 2022」の結果が今年1月に発表されました。

BBC Sound ofでは、これまでにAdeleやHAIM、Sam Smith、Lady Gaga、Billie Eilishなど、数多くの人気アーティストを輩出してきましたが、今年首位に輝いたのはPinkPantheressというイギリス出身のシンガーソングライター。

自らの音楽スタイルを「ニューノスタルジック」と呼ぶPinkPantheressの音楽は、ベッドルームポップやオルタナティヴポップのほか、UKガラージや2ステップ、ドラムンベースの要素を取り入れたものになっています。

実際に昨年リリースされたデビューミックステープ『To Hell With It』の収録曲「Break It Off」では、Adam Fによる1997年のドラムンベース曲「Circles」、「Pain」ではSweet Female Attitudeによる2000年のUKガラージ曲「Flowers (Sunship Edit) 」がサンプリングされてていますが、こういった古い楽曲のサンプリングも彼女の楽曲の特徴になっています。

Adam Fによる1997年のドラムンベース曲「Circles」
Sweet Female Attitudeによる2000年のUKガラージ曲「Flowers (Sunship Edit) 」

そんなPinkPantheressが注目を集めたのは、昨年、TikTokで先述の「Break It Off」や「Just For Me」といった楽曲がバイラルヒットしたことがきっかけですが、その独特なTikTok活用術は一見の価値があります。

PinkPantheressは、TikTokを市場調査のために使用しており、通常であれば、1曲丸ごと完成させてSoundCloudなどで公開するところを曲の一部が出来上がった段階でTikTokに公開。そこでその曲に対する視聴者からのリアクションを見て、その曲の制作を続けるかどうか判断しているといいます。

TikTokでバイラルヒットする可能性がある曲は、当然そこでの反応が良い曲です。その意味でPinkPantheressのTikTok活用術は、TikTokの特性をうまくハックした手法だと言えそうです。

最近では、TikTokのほかにYouTube「Shorts」やInstagram「Reels」といった類似サービスがありますが、このようなショート動画プラットフォームを活用したくても、どのように活用するべきか悩んでいるというアーティストは決して少なくはないでしょう。そういった人は、ぜひ、今回ご紹介したPinkPantheressのTikTok活用術を参考にしてみてはいかがでしょうか?

文:Soundmain編集部

【参考サイト】

BBC – Sound of 2022
https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/2Gp2bC0CNFy4pssqk46CdDq/sound-of-2022