
CASIO、歌声を演奏できる新感覚電子キーボード「CT-S1000V」を発表
昨年12月から意味深な動画を公開し、シンセもしくは電式キーボードの新製品リリースを予告していたCASIOが、同社の人気電子キーボード「Casiotone」の新製品として、電子キーボード「CT-S1000V」を発表しました。
今回発表されたCT-S1000Vは、鍵盤で歌声を演奏できる新感覚の電子キーボード。「新たな鍵盤演奏表現や楽曲制作を楽しみたいミュージシャンや音楽クリエイターに向けた電子キーボード」と解説される同製品では、CASIO独自に開発した音源技術“Vocal Synthesis”により、歌詞の情報とボーカル音色を組み合わせて作った人間やロボットボイス、動物の歌声を演奏することができます。
同様のコンセプトを持つ製品はこれまでも存在しましたが、カシオによると「特殊な演奏スキルや細かい調整が必要で誰もが気軽に演奏できるとはいえなかった」とのこと。しかし、CT-S1000Vでは膨大な歌声のデータを元に歌い方をシミュレーションすることで、滑らかな歌声を作り出せるとしています。
同製品には、鍵盤を押すごとに歌詞の音節が進む「ノートモード」と、鍵盤を押している間は歌詞の音節が自動的に進む「フレーズモード」の2種類のモードを搭載。歌詞と演奏にずれが生じず、歌詞に縛られない自由な演奏が実現するだけでなく、各音節のつながりがスムーズになり、メロディを口ずさむような感覚で直観的に音楽表現や楽曲制作が行えます。
また、高品位な音色と豊かな表現力を兼ね備えた「AiX音源」により、Vocal Synthesisでの100種類の内蔵歌詞音色、高い表現力を誇る「ADVANCED TONES」、歴代のCASIOキーボードやシンセの音色を厳選した音色「CASIO CLASSIC TONES」など900種類の多彩な音色を内蔵。iOS/Adroid対応の専用アプリ「Lyric Creator」を使えば、オリジナルの歌詞の作成や詳細な発音の編集なども可能です(Lyric CreatorとCT-S1000Vの接続にはデータ通信に対応した市販のUSBケーブルや変換ケーブルが必要)。
そのほかにも「コンプレッサー」「フェイザー」「ディストーション」「ワウ」といった多彩なエフェクトやリアルタイムに音をダイナミックに変化させられるアクティブDSP機能なども搭載。2つの音を重ねるレイヤーや、鍵盤の左右で音色を分けるスプリット、自動伴奏時のメロディーパートと伴奏パートなど、それぞれの音色に異なるエフェクトをかけることも可能です。
なお、練習から本番まで1台で完結したいキーボーディストに向けて、内蔵スピーカーと水平型バスレフ機構によるパワフルな重低音を備え、外部スピーカーとの接続も可能な「CT-S500」(※)も同時発売されます。
※「CT-S500」には“Vocal Synthesis”は搭載されていません。
国内での発売は2022年3月上旬を予定。価格はオープンプライスで、市場推定価格はCT-S1000Vが55,000円前後、CT-S500が48,400円前後と予想されています。
CT-S1000Vに関する詳細な情報はこちら
https://music.casio.com/ja/products/casiotone/cts1000v/
CT-S500に関する詳細な情報はこちら
https://music.casio.com/ja/products/casiotone/cts500/
文:Soundmain編集部