
VR音楽コンテンツはさらに普及? AmazeVR・Melody VR・WaveなどVR×音楽スタートアップの存在感が高まる
VR空間でアバターを通じた交流などができるメタバースへの注目度が高まっている昨今ですが、コロナ禍以降バーチャルコンサートが普及した音楽業界においても、今後さらにVRコンテンツの普及が進んでいきそうな気配が広がっています。
今月、LAのスタートアップ企業のAmazeVRは、VRコンサート・プラットフォーム構築のために1500万ドルを調達しました。今回の資金調達により、AmazeVRの資金調達額は全体で3080万ドルに達しています。この資金調達は、同社が今春全米の映画館で上映する予定のMegan Thee Stallionによる初の「商業用VRコンサート」に先立って行われたものですが、同社の最終的な目標は、2024年までに毎週新しいVRコンサートを映画館や家庭で鑑賞できるようにすることだといいます。
現在、AmazeVR以外にもVR関連スタートアップによる音楽業界進出は進みつつあります。VR音楽プラットフォームのMelody VRは、これまでに音楽ストリーミングサービスのNapsterを買収し、ストリーミング事業に参入。また、VRヘッドセットを所有する従来のファン以外にもスマホアプリを通じてライブコンテンツを提供しています。
昨年、Justin Bieberのバーチャルコンサートを手がけたWaveは、Twitch、YouTube、その他のプラットフォームへの配信が可能なライブストリーム制作ツールに進化。Melody VR同様にVRファン以外にもアプローチの手を広げています。
VRコンサートをビジネスとして成功させるには、VRヘッドセットの普及が鍵になりますが、調査会社のOmdiaによると、昨年は、1250万台の消費者向けVRヘッドセットが販売されており、所有者はVRゲームやアプリに20億ドル以上を費やしている推定しています。また、同社は、今後、2026年までに7000万台のVRヘッドセットが消費者によって使用されると予測しています。
最近ではゲームや教育など様々な分野がVRシーンに進出していますが、音楽業界でもVRクラブシーンが盛り上がりを見せているほか、VRシンセやVRDJツールのようなバーチャル機材もリリースされています。こういったコンテンツを楽しむユーザーも増えつつあることから、今後、音楽コンテンツもさらにVRシーンに進出していくことが予想されます。
すでにVRならではのコンサートの可能性のみならず、音楽制作の可能性についても言及するアーティストもいるだけに、今後はさらにアーティストに対するVRの影響力が高まっていきそうです。
文:Soundmain編集部
【参考サイト】
AmazeVR raises $15m to build out its VR concerts platform – Music Ally
https://musically.com/2022/01/12/amazevr-raises-15m-vr-concerts-platform/