2022.01.27

中国に本格的な音楽サブスク時代が到来! 業界関係者が語る中国市場への期待とは

中国で、音楽サブスクリプション時代が本格的に到来しつつあるようです。

中国で人気の音楽配信サービスには、Tencent傘下の「KuGou」「QQ音楽」「Kuwo」や、NetEase傘下の「NetEase Cloud Music」などがありますが、両社ともにサブスクリプションに力を入れているとみられています。

中国で有料の音楽サブスクリプションの収益が、広告付きの無料ストリーミングによる収益を上回ったのは2020年。IFPI(国際レコード産業連盟)によると、中国の音楽市場全体も、同年に前年比33%以上の成長を遂げています。

中国が拠点の音楽ディストリビューターKanjian Musicのインターナショナル・ビジネス担当Tinko Georgiev氏は次のように語ります。

「Tencent・NetEase両社とも、サブスクリプションを重視しています。中国国内のアーティスト、海外アーティスト、過去のリリース、新しいリリース、すべてにおいてサブスクリプションサービスで配信するケースが増えています。また、これまで無料で利用できた楽曲が、有料のサブスクリプションでのみ展開するようになったケースもあります。今日、中国のユーザーが音楽を聴くには、他の手段を検討するよりもサブスクリプションにお金を払う方が簡単になっているのです」

なお、ソニー・ミュージックのグローバル・デジタル・ビジネスおよび米国セールス担当のDennis Kooker氏は

「14億人の市場で、有料アカウントはまだ1億未満です。人数としてはすでに非常に多いのですが、70%以上の世帯が音楽配信サービスを利用しているような成熟した市場と比較すると、まだまだ大きな成長のチャンスがあります」

と述べ、この成長が続くことを望んでいます。

また、Kanjian Musicのインターナショナル・クリエイティブ・シニア・マネージャーYutong Situ氏は、中国における有料ストリーミングサービスの加入者数は最終的に3億人を超え、米国の普及率に匹敵するだろうと予想しています。

さらに、中国当局がレーベルと音楽ストリーミングサービス間の独占的なライセンス契約を禁止する動きを見せていることから、この成長に対する権利者への支払いも良い方向に向かっているようです。

文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)

【参考サイト】

Music industry seeks more subscription growth in China – Music Ally
https://musically.com/2022/01/13/music-industry-subscription-growth-in-china/

【2020最新】中国人気音楽ストリーミング配信サービス&特徴 / アンジー・リー オフィシャルサイト
https://me-angie.com/archives/547